2010年03月10日

岡田暁生『音楽の聴き方』

■これまで読んだ同じ著者の本が基本的には歴史概説書(随所に筆者の主観・価値判断が入るとはいえ)であったのに対して、こちらはより「著者の考え」を綴った本といっていいかと。

■「音楽は音を楽しむって書くんだよ。言葉じゃなくって感じればいいんだよ」みたいな言い草が個人的には昔から嫌いだったのだけれども、そういう自分からすれば大変に溜飲の下がる本でありました。

■そもそも音楽を「理解」するのに言葉はいらないとか「音は国境を越える」的な言説自体が19世紀の西洋で生まれた一種のイデオロギーでありグローバリズム(ニアリーイコール帝国主義)がその背景にある。言語化せず「感覚的に」「楽しむ」ことができるのは馴染みのある(西洋音楽がベースにあるような)音楽だけであって、耳慣れない音楽を楽しむにはやはりどこかで耳の訓練が必要だし、そのうえで「言葉にする」という作業は有効だ。

■生きていれば「批評」は常につきまとうし、むしろそれを怠ることは視野を狭めることになると思うんですよ。途中から本の紹介というよりぼくの意見になってしまってますが、そんなようなことが理路整然と書かれた良書。少なくともぼくはそういうことを読み取った。

412102009X音楽の聴き方―聴く型と趣味を語る言葉 (中公新書)
中央公論新社 2009-06

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2010年03月03日

岡田暁生『オペラの運命』

■こないだ読んだ『西洋音楽史』が面白かったので。

■「オペラ劇場」という特殊な場の成立と変遷を中心に据え、受容層の変化(神に捧げることを目的とした音楽が王侯貴族を讃えるためのものになり、やがて市民社会の時代となってブルジョワ階級のスノビズムを満足させるためのものとなって、というような)にともなってオペラという芸術表現じたいも変化していく。20世紀になるとそもそも「オペラ劇場」という非日常的空間を成立させることが難しくなってくるわけで、そういう意味で20世紀以降に作られた前衛オペラとかそういうのは「オペラ」と呼べるのか、と、簡単に言っちゃうとそんなような話。

■コンパクトかつ平易にオペラの歴史と魅力が語られており、巻末には文献・音源ガイドもついていて嬉しい(映像についてはLD時代のものなので必ずしもそのまま今でも使えるわけではないけど)。『西洋音楽史』は音源ガイドがついてないのが残念だったのよね。

■細かいところでいうとワーグナーが散々な書かれようなのが笑う。

4121015851オペラの運命―十九世紀を魅了した「一夜の夢」 (中公新書)
中央公論新社 2001-04

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2009年09月02日

9/1(Tue) 最近のパンクから

■9月はまた日記を書いてみようかなと。

■悪い夢を見て目を覚ましたところ、怖いメールが入っていた。

■通勤電車(往路)で「EL ZINE」0号を読む。DOLL編集の山路氏が立ち上げたパンク雑誌。DOLL最終号にも登場したAcuteやRydeenが登場していることもあって、DOLLの延長という感じもありつつ、特に硬派かつ渋いところを集中的に継承した、という印象。編集後記のことばが特に印象的だった。行川さんのブログでも指摘されているが黒地のモノクロの表紙とその紙質、そして目次部分の写真のツブれかたなど、ハードコアの7インチのスリーヴを思わせてこれまた渋い。次号も楽しみ。

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■ちなみにそのDOLL最終号の表紙を飾っていたスウェーデンのパンクバンドMasshysteriのLPを先日買ったのだけどこれは大変素晴らしかった。時にサーフっぽかったりする哀愁のメロディ、全編スウェーデン語の男女ツインヴォーカル。疾走感はまぎれもなくパンクながら、USインディーズとかRiot Grrrlとかが好きな人にもイケると思う。オススメです。

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マイスペ

■出社すると、またしも組織変更があったり(まあぼくは元に戻るだけなのだが)、微妙にモメごとの気配があったりとバタバタな感じ。まあ自分の仕事を粛々とやるだけなのだが。弁当はトマト煮(鶏むね肉、キャベツ、玉ねぎ、長ねぎ、モツァレラチーズ、をトマトソースで煮たもの。クミンパウダーとホットガラムマサラもちょっとずつ投入)と白米。旨い。

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■夕方より、游歩塾の湯浅ちぐみさん「スターのホロスコープ」第3回。今回は基本的には民主党特集でお送りしつつ、最後にはこの一ヶ月もっとも話題だったアノ人を。生まれた時間までわかるとグッと内容が濃くなるのね。

■で、終了後はちぐみさんと代々木の土風炉で軽く呑む。

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投稿者 junne : 09:27 | コメント (0) | トラックバック

2009年04月15日

松岡正剛『多読術』

■「まずは目次をじっくり見ろ」みたいな、過去の著作でもちょこちょこ語ってるような話から始まるので、まあ立ち読みでもいっかと思ったのだけど、立ち読んでいるうちに割りと充実した内容な気がしてきたので購入にいたった。バイオグラフィカルな話も興味深かったし(『遊』立ち上げ以前の仕事ってあんまり書いたり喋ったりしてない気がする。ぼくが読んでないだけかもだけど)。

■タイトルだけみると「本をたくさん読むためのノウハウ」みたいな本かなと思うのだけど、むしろ本は一冊で完結するものではない(インターテクスチャリティみたいなことですね)という話をしている本だと思った。で、本と本をつなげるための技法なんかも紹介されてたり。

多読術 (ちくまプリマー新書)多読術 (ちくまプリマー新書)
松岡正剛


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投稿者 junne : 19:31 | コメント (0) | トラックバック

2009年04月03日

キース・リチャーズ 彼こそローリング・ストーンズ

■すごい昔に買ってずっと積読状態にあった本を何気なく読んでみた。要するにキース・リチャーズの伝記で、随所に本人のコメントや周囲の人間の発言が引用される。かなり前に出た本なので、時代的には70年代末くらいまでの話。

■まず印象的だったのは、ブライアンの扱いの酷さ。「何もできないくせに主導権を握りたがって周りに迷惑ばっかかけてた奴」くらいの扱いなの。キース本人も酷くて、ブライアンの死後にインタビューでバンド名の由来を訊かれ「さあな、ブライアンに聞いてくれ」と答え、続けて「どこで会えますか?」と訊かれたら「プールの中だろ」だって。ひどくね?

■たいへんグッときた箇所というのが、ドラッグで捕まって裁判を受けてるときに
裁判官から「リードギターっていうのは何をするのか」と訊かれ、「いちばんでかい音を出す人間です」と答え、傍聴席からやんやの喝采を受けるというくだり。なので今後はぼく大甲子園で「いちばんでかい音を出す人間」でいこうと思いました(まあ改めて思わなくても最近はわりとそうなんだけど)。

■ハノイツアーの後にさらにこんな本を読んだりしたもんだから「血中ロケンローラー濃度」が急上昇中。いや現実的に急上昇中なのはむしろ血中アルコール濃度」なのだが。なんか酔っ払って夜中にギター弾きまくったりしてますよ。近所迷惑もいいとだけど。

■関係ないけどキースといえば最近笑ったのはこの記事

キース・リチャーズ 彼こそローリング・ストーンズ (ソニー・マガジンズ文庫)キース・リチャーズ 彼こそローリング・ストーンズ (ソニー・マガジンズ文庫)
Barbara Charone 中江 昌彦 野間 けい子


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投稿者 junne : 18:15 | コメント (0) | トラックバック

2009年03月24日

伊藤計劃『ハーモニー』

■前作『虐殺器官』も面白かったこともあって、発売からはちょっと間が空いてしまったものの楽しみに読み始めたのが一昨日のこと。と思ったとたんに突然の訃報。ある本を読んでいるまさにその間にその著者が亡くなる、それが唐突に遺作になってしまう、というのはこれまで経験したことがなかったので、何だか動揺してしまって、どう反応していいのかわからずにいる。しかもその本の内容が内容だし。

■舞台は近未来。何らかのカタストロフがあって(おそらく『虐殺器官』とつながっている)世界の人口は激減。残された人々は一人ひとりが人類にとって貴重な「リソース」であるという意識のもと、徹底した健康管理/監視に基づいたある種の「ユートピア」を作り上げた。あらゆる病気や不摂生は取り除かれ、暴力や心に傷を与えるようなネガティヴな要素がすべて排除され互いに気遣いあう(子供たちの間ですら「いじめ」の一つもない!)。そんな世界に息苦しさを感じ、自殺することでそこから解放されることを求めた少女たち……というのが冒頭。

■まあ最近よく見かける「快適なディストピア」ものですわな。そしてそこから更にスケールは拡がり、意識とは何かとかそういった思弁的な領域に突入していく。これまた完全に偶然なんだけど、ちょうどこれを読んでる間に更新された松岡正剛の千夜千冊「神々の沈黙」の話とリンクしてきて、これまた変にタイミングが絶妙で気味が悪い。

■作品自体たいへん面白いのだけど、それだけでなく色々な意味で、忘れられない一冊になってしまいそうだ。こんなことで記憶に残るのも嫌なのだけど。この「先」をこそ書いてほしかったのに。この「先」が書けた作家はぼくが知ってる限りまだいないだけに、惜しまれてならない。

ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
伊藤 計劃


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投稿者 junne : 20:49 | コメント (0) | トラックバック

2009年03月02日

いとうせいこうが小説を!!

■いとうせいこうが連載小説ブログを開設!本日第一回が掲載された!これは楽しみすぎる!

投稿者 junne : 17:06 | コメント (0) | トラックバック

2009年01月14日

ブラック・メタル本、ようやく発売ですよ!

■さてさて、本年最初のリリースですよ(やってたのは昨年末だけど)

ブラック・メタルの血塗られた歴史 (Garageland Jam Books) (Garageland Jam Books)ブラック・メタルの血塗られた歴史 (Garageland Jam Books) (Garageland Jam Books)
島田 陽子


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えーと、今現在アマゾンでは微妙に品切れになってますが、すぐ入荷すると思います。超面白いので夜露死苦ね!

投稿者 junne : 12:53 | コメント (0) | トラックバック

2008年07月02日

スタジオボイス2008年7月号

■もう先月号なんだけど、「リトルプレス特集号」ということで、友人知人が多数寄稿しているということもあって購入してあったのね。で、ようやくとりあえず特集をざっと読んでみたのだけど、うーん、なんか違和感が。そもそも紹介されてるのが全体にアートブックみたいなやつが多いの。んで、まあ一応小さいながらも出版社の体裁を取っていて、ちゃんと製本とかして作ってる感じの。とりあえずぼくがLilmagで買い漁ってるようなものとはちょっと趣が違う。

■あのですね、俺は字が読みたいの! ビジュアル本も悪いとはいわないけど、そればっかってのはどうなのかと。海外のジンを紹介するならもっと文芸誌とかがほしかった。絶対いっぱいあるはずなんだよね。まあ自分で探せって話か。あと、基本的にぼくはパンク感のあるジンが好きなんだけど、そういうのが少なかったのも残念。つかあれなのか、「ジン」と「リトルプレス」は別物で、「リトルプレス」は単に部数が少ない普通の本っていう感じだったりするのかしら。

■そんな中で「そうそうこれこれこれ!」って感じだったのはYEBISU ART LABO FOR BOOKSIrregular Rhythm AssylumタコシェLilmagによる「Zine & Minikomiレビュー」およびばるぼらさんによるストレンジ古雑誌紹介、それと写真家・平野太呂のジンの履歴書。最後のは写真家のジンなので「字が読みたいんじゃねえのかよ!」って思うかもしれないけど、「コピーでぱぱっと作って友達と交換したりするが楽しい!」っていうスタンスに共感。まあ載ってる写真がOAC(なつかしい!)とかBREAKfASTとかだったりするっていうのもあるんだけど。

■でもまあ、なんか最近は会社やめても本は作れそうだなあという気分になってきててそういう意味では隅っこを読めばそれなりに元気の出ることも書いてあったんじゃないかね。

STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2008年 07月号 [雑誌]STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2008年 07月号 [雑誌]


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投稿者 junne : 12:34 | コメント (2) | トラックバック

2008年06月26日

【メモ】買う予定の新刊、行く予定のイベントなど

■気がつけば以下の2冊は今日が発売日じゃなかったっけか!買わなきゃだー

VOL 03VOL 03
萱野稔人 高祖岩三郎 酒井隆史


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コーナー Musics DVD付コーナー Musics DVD付
大友 良英


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VOLはG8に合わせての緊急発売、って感じなのかね。最近はZine版の「VOL Zine」というのも作っていて、現在05号まで出ている模様。IRAで売ってるのを見たことあるので存在は知ってたんだけど、PDFのフリーダウンロードもしてたんですな。「製作用」のPDFを両面印刷して自分で折って綴じればちゃんとZineになる!何気にこれっていいかも!

そして大友さんの新刊はもうほんとに待ちに待ったとしか言いようがない。ガツンとDVDとかもついて、待った甲斐のあるものになっているかと思われますよ。手に取るのがほんとうに楽しみだ。

■んで、来週はG8に向けてこんなものが↓。いくつか行ってみると思います。

◎G8対抗国際フォーラム  http://www.counterg8forum.org

今年、7月7日から9日まで、北海道・洞爺湖で、G8サミットが開催されます。現在、政府やマスメディアによるキャンペーンが盛んに行われていますが、一方で、G8が押し進めるグローバリゼーションに反対する市民団体、NGO、NPOなどのグループやネットワークによって、様々な対抗運動の枠組みが作られています。

こうした現象は、日本の国内にとどまらず、1999年のシアトル、2001年のジェノバから引き継がれるグローバル・ジャスティス・ムーブメントの世界的な潮流だと言えます。

私たちは、こうした世界的な状況に、政治的、社会的、文化的、または理論的に呼応する形で、国内外からの参加者と集まり、大学という公共空間を中心に、国際的な対抗フォーラムを開催したいと考えています。

★6月30日(月)13:00~17:00 中央大学駿河台記念館/18:30~20:30 明治大学リバティホール(リバティタワー1F)
★7月1日(火)18:30~20:30 明治大学リバティタワー

※フォーラムは、メイン・フォーラムと、パネル・ディスカッションで構成されています。
※メインフォーラムのみ、資料代として500円をいただきます。
※中央大学駿河台記念館および明治大学リバティタワーはともにJR御茶ノ水駅より徒歩5分。
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◆メイン・フォーラム:グローバリゼーションと対抗理論の可能性

日時:6月30日(月) 
場所:明治大学リバティホール(リバティタワー1F)

司会:鵜飼哲(一橋大学、フランス文学・思想)
提題:足立眞理子(お茶の水女子大学、経済学)、ジョン・ホロウェイ(プエブラ自治大学、国家理論)
応答者:マイケル・ハート(デューク大学、政治哲学)、岩崎稔(東京外国語大学、政治思想)

G8をあたかも有意味な政治日程であるかのように押し出すために、支配的なメディアからは、この世界ばかりが唯一ありうる現実態であるかのような言説が、かつてない規模で垂れ流されている。だが、そもそもG8は非公式かつ恣意的な会合にすぎず、国際社会における正当な代表性など、いかなる意味においても備えてはいない。G8は、グローバルな困窮と悪夢の引き金とはなっても、現にある問題を何一つまともに解決することはない。そのようなG8の会合が、警察的な排除、監視、抑圧を通して、世界中の無数の抵抗と創意を窒息させようとしているのである。

わたしたちは、このように露呈している底なしの不正と不平等の世界を、だが、どのように適切に分節化しなおすことができるのだろうか。「G8対抗国際フォーラム」の《メインフォーラム》では、フェミニストの経済学者である足立眞理子が、「再生産領域のグローバル化」という現下の事態を切り口として、資本主義と古き社会主義の強固な前提であった賃労働そのものが、いまやメルトダウンしようとしている事態を解明するだろう。また、「権力を取らないで世界を変えること」を構想するジョン・ホロウェイは、来日する多くの知識人を代表して、不正で不平等な社会に対する具体的経験を伴った「叫び」から始まる、あらたな変革のイメージを提示するだろう。そのふたつの報告を受けて、『<帝国>』の共著者マイケル・ハートと、今回のフォーラムを支えてきたフランス文学者・鵜飼哲や政治思想家・岩崎稔たちが、ぎりぎりまで議論を押し広げ、この世界をいまとは別様に把握する対抗的な構想力の可能性を模索する。

対抗理論への問いが、さらに多様な実践を作り出し、さらに豊かな連帯を作り出すことを確信して、友人たちよ、すべてのパネルでの激論と交流を経て、このメインフォーラムの討議の輪のなかに合流してもらいたい。
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◆パネル・ディスカッション

6月30日(月) 中央大学駿河台記念館 13:00-15:00

★パブリックかコモンか?――サミット体制と明日の条件なき大学 @560
大学は資本や国家といかなる関係を切り結ぶべきなのか?かつてのデリダのように、われわれもサミット体制に抗する「条件なき大学」を語ることができるのだろうか?もしそうであるとすれば、パブリックな討議空間である以上に、学生と教員が共に生を営む場として、いかなる群集状態が想い描かれるべきなのだろうか? G8大学サミット開催と敵対しつつ、コモンとしての大学への展望を考えてみたい。
パネラー:西山雄二(東京大学、ARESER:高等教育と研究の現在を考える会)、大野英士(首都圏大学非常勤講師組合)、世取山洋介(新潟大学、DIC日本支部事務局長)、コ・ビョンゴン(研究空間スユ+ノモ)
司会:白石嘉治(上智大学)  

★「ゾンビの国」で考える連帯の条件――グローバル・ジャスティス運動、固有性、マルチチュード @570
映画『ランド・オブ・ザ・デッド』(2005)では「ゾンビ」と「貧者」、つまり排除された者同士が闘っている。事情は日本でも世界でも同じだ。排除された者(ワーキングプアや貧困国)と搾取される者(「名ばかり」正社員や「名ばかり」先進国)が競わされる。運動の実践や日常の搾取の経験から「ゾンビ」と「貧者」の連帯の可能性を考えたい。
パネラー:デイヴ・エデン(オーストラリア国立大学)、ハリー・ハルピン(エジンバラ大学)、ブランドン・ジョーダン(映像作家)
司会:渋谷望(千葉大学)

★自律メディアは増殖する! @680
わたしたちの最も内密なはずの知覚や感情もすみずみまで管理しようともくろみ、「世界」を捏造しつづけるマスメディア。この世界を「売り上げ」によって価値評定することで「多数派」の幻想を肥大化させ、「世界」を相対化しそこから逃れる道を封じてまわる、マスメディアの有機的知識人たち。ここではフランスのポスト構造主義とニューヨークの実践、アメリカのマイナー文学や思想とを、ラジカルに衝突させつづけ、対抗グローバリゼーションにいたる理論的・実践的地場をいち早く 描いてきたニューヨークの独立出版社Autonomediaのジム・フレミングを囲み、日本で今繰り拡げられている、刺激的な実験をぶつけてみたい。
パネラー:ジム・フレミング(Autonomedia)、成田圭祐 (Irregular Rhythm Asylum)、佐藤由美子(トランジスター・ プレス)、加藤賢一(気流舎)
司会:酒井隆史(大阪府立大学)
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6月30日(月) 中央大学駿河台記念館 15:00-17:00

★プレカリティは創造する  @560
現代資本主義の下、われわれは不安定を生きており、それに対応可能であることが存在の条件にすらなっている。この不安定性をみずからのものとし、それをより自由なものへと転じさせることはできないのか。そしてそれを新たな構想へと接続することだって可能なのではないだろうか。プレカリティ――以上の問題関心をもちつつ、本セッションでは、その展望を各パネラーとともに探ることとしたい。
パネラー:マウリツィオ・ラッツァラート(社会学者/哲学者)、ダイアン・クラウテマー(IWW)、ブノワ・ユージェーヌ(NO VOX)、千々岩弦(フリーター全般労組)
司会:入江公康(社会学/労働運動史)

★反資本主義のための資本主義論 @570
真に有効な反資本主義運動を展開するために必要な現代資本主義の理解とはどのようなものか。「価値」、「本源的蓄積」、「フェティシズム」、「生産/再生産」、「賃労働/非賃労働」といったさまざまな古典的概念を時間論(死んだ時間と生きた時間との闘い)や身体論(規律化とそれへの抵抗)として捉え返し、その現在的意義を考えてみたい。私たち自身の価値を創造する身体と資本の価値増殖のプロセスに組み込まれた身体とのあいだで日々繰り広げられる「階級闘争」を表現し進展させるために必要な概念とはどのようなものか。
パネラー:マッシモ・デ・アンジェリス(東ロンドン大学)、ハリー・ハルトゥニアン(ニューヨーク大学)、イ・ジンギョン(研究空間スユ+ノモ)
司会:田崎英明(立教大学)

★戦術の多様性をめぐって @680
戦術にまつわる思想は、運動体の性質を決定する上で、核的な部分を占めている。当パネルでは、東京に集合した各地の活動家数人に、それぞれの活動内容と戦術的思考について発表してもらい、観客を含めた広い交流/交換の場としたい。ここでは昨今主要な潮流となっている「戦術の多様性」の有効性が論議の焦点となる。
パネラー:デヴィッドソルニット(アーティスト)、マリーナ・シトリン(サンフランシスコ・ニューカレッジ)、リサ・フィシアン(戦術家)他
司会:高祖岩三郎(Autonomedia、VOL編集委員)
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7月1日(火) 明治大学リバティタワー12階 18:30-20:30

★地球的組織の未来 @1121
当パネルでは、アンドレ・グルバチッチ(バルカン半島)、デヴィッド・グレーバー(北米)、平沢剛(東アジア)など世界各地を出自とする活動家的知識人を迎えて、未来の地球的組織化の可能性について論議する。それぞれの立場/経験に基づいて、過去の国際連帯/国際的組織化のありかたを分析し、将来可能な形態を提起してもらう。
パネラー:アンドレ・グルバチッチ(サンフランシスコ・ニューカレッジ)、デヴィッド・グレーバー(ロンドン大学ゴールドスミス校)、平沢剛(明治学院大学)
司会:高祖岩三郎(Autonomedia、VOL編集委員)

★地下大学東京――秋葉原で起きたこと―― @1122
6月8日の白昼、秋葉原中央通りの路上ではいったい何が起きたのか? 120秒の間に、残酷な形で交差したものは何だったのか? 青森に生まれ、各地の派遣「飯場」を流れた末に、静岡からあの街に現れたKは、ちょうど40年前に4人を射殺し、遂に刑死したNを呼び戻した。彼の『無知の涙』が読まれているという。――あの場所にやって来たKと、そこで殺された人々に集中したあらゆる動線と、そこから伸びていくものについて徹底討論したい。
パネラー:鎌田慧(ジャーナリスト/作家) 他
司会:平井玄(音楽批評)

★反戦反基地――軍事化に抵抗する @1127
本セッションでは、まさに今起こっている軍事化を理解し、その軍事化への抵抗運動を、スピーカー、参加者の皆さんと共有していきたい。そして、それを共有するだけではなく、より有効的な抵抗運動を、構築していきたい。
パネラー:梅林宏道(NPO 法人ピースデポ代表)、キム・ディオン(研究空間スユ+ノモ)、抵抗運動に関わっている人
司会:伊佐由貴(一橋大学)

★アウトノミアとメディア運動 @1128
アウトノミア運動のスポークスマンとして知られ、イタリア初の自由ラジオ「アリーチェ」以来、ガタリとの協働を経て最近のテレストリートに至るまで、つねに現代メディアを刺激してきた実践的思想家フランコ・ベラルディ(bifo)。ラジオ・アーティスト/理論家として、世界のメディア運動に多大な影響を与える粉川哲夫との対話。
パネラー:フランコ・ベラルディ(メディア理論/活動家)×粉川哲夫(ラジオアーティスト、メディア批評家)
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問い合わせ:G8対抗国際フォーラム事務局 Tel:080-5539-6059 Fax:042-330-5406 Email : info@counterg8forum.org
カンパ・協力金の振り込み先:郵便口座00100-9-357506番 口座名称:G8対抗国際フォーラム実行委員会

投稿者 junne : 15:59 | コメント (0) | トラックバック

2008年06月24日

はじめてのDiY

■こないだの『貧乏人の逆襲!』ともちょっとかぶる内容なのだが、こちらはより包括的かつ理論的(だけど人文/学術書的な硬い本ではない。中学生でも読めると思う)。冒頭に

 ふと見わたすと、まわりに、おもしろいこと、おもしろいひと、おもしろい場所がじわじわと増殖しているような気がします。
 この、おもしろいこと、おもしろいひと、おもしろい場所はどうもこれまでとは全然違ったところから生まれているようです。
 七〇年代の消費社会、八〇年代のバブル経済、そして九〇年代の「失われた十年」とは異なる、新しいポジティヴな生活と文化が登場しつつあるのです。

とあるけどこれについてはぼくも割と同感で、ここ2,3年で急激にこうした活動が増えているなーという印象。

■個人的にも注目していた流れではあるので情報としてあまり目新しいことは書いてなかったんだけど、まあこういうのは受身でいるより自分もやったほうが絶対楽しいので、ガンガン時流に乗っていくといいと思うな。元気の出る本であることは確かです。あと、さすがに学者の書いた本なので海外の事例や参考文献とかも載ってるのが嬉しい。

はじめてのDIY 何でもお金で買えると思うなよ! (P-Vine BOOks)はじめてのDIY 何でもお金で買えると思うなよ! (P-Vine BOOks)
毛利嘉孝


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2008年06月20日

貧乏人の逆襲!―タダで生きる方法

■なぜか周囲の一部で局地的に異常な盛り上がりを見せている新刊。高円寺素人の乱五号店(リサイクルショップ)の店長であり、「家賃をタダにしろ」「俺の自転車を返せ」といった一風変わったデモの首謀者であり、昨年の杉並区議選でも話題をさらった(『いるべき場所 』にも迫真の描写があるので読むといいぜ!)著者による初の単著。滅茶苦茶面白くて、ありがちな表現だが電車の中で笑いをこらえるのに苦労したよ!

■貧乏生活マニュアルみたいな本はけっこうあって、だいたいが節約の仕方が書いてあるわけなんだけど、本書はそういうしみったれた話とはちょっと違う。いちおう衣食住および移動手段などについてそれぞれについて金をかけない作戦がいろいろと提示されてはいるのだが、ヒッチハイクや野宿のコツ、地域(商店街とか)をまきこめ!等々、単に金をかけないのではなく、如何に人と絡んで「金持ち連中」や「金もうけ企業」に対抗していくかという視点が通底している。

■で、貧乏生活術の話しは最初の一章だけ。あとは著者が過去に実践した作戦の数々の紹介など、より積極的に打って出ることを目指した内容になっている。ていうかまあとにかく威勢のいい文体が楽しくてグイグイ読んじゃう一冊だ。元気が出るという意味ではこれほど元気の出る本もそうそうないと思う。

貧乏人の逆襲!―タダで生きる方法貧乏人の逆襲!―タダで生きる方法
松本 哉


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2008年06月17日

少女と少年と大人のための漫画読本 2007-2008

■マンガってここ数年ほんとに読まなくなっちゃってるんですよ。面白いんだろうなーと思いつつなかなか手が出ないという状況で、結局ドカベンを時々立ち読みしてるだけという有様。

■そんな矢先に、いつもZineを買っているLilmagの店主・野中モモさんが満を持して自身のZineをドロップ。これがもう待ってましたというものなのである。内容としてはモモさんが以前に「流行通信」で連載していたマンガレビューと、「2007年の年間ベスト&2008年に期待される作家・作品」というアンケートが中心。編者が日ごろ情報源としてアテにしている人たちからアンケートを取っているということなので偏りはまああるとしても、一般の年間ベスト10とかよりはアテになりそうな気がするというもんだ。

d080616a.jpg

■ということで読んで早速マンガ買っちゃったよ(いましろたかし『化け猫あんずちゃん』→最高)。ほかにもいくつか(いくつも)気になるものがあるので順次読んでいきたい。つか、ほんとここ数年マンガっていうのは自分の中でかなり課題だったのよ。

■しかしマンガって場所取るからなあ。「ジョジョ読みてえ!」って思ってもなかなかふんぎりがつかない部分もありますよね。いや、マンガ喫茶にあるようなものはそれでもいいのかもだけど、少なくともここで紹介されてるものの多くはマン喫で見つけるのは難しそうだ(ていうか、実際そう書いてあった)。と思ってたらちゃんと貸し本屋さんもアンケートに登場してきてて、これが近所だったりするので是非利用していきたい。あと貸し借りとかはマンガに限らずちょっと試みていきたいかも。ブクログとか使ってなんとかできないかね。

■ブクログといえば最近出てきた「読書メーター」っていうウェブサービスに登録してみた。読んだ本を記録していくだけのシンプルなサイト。読書量がグラフ化して表示されるのと、同じ本を読んだ人が探せるので読書傾向の似た人を見つけとくと参考になるかも。

■なんか関係ない話になってきましたが、とにかく既存のベスト10とかに不満のある人とかは一度このZineを手にとってみてはいかがかと。万人にお薦めではないかもだけど、ある種の傾向があう人にとっては大いに参考になるかと思われます。

(追記)
日ごろ扱ってる商品は切り貼りコピーホチキズ製本みたいなのが多いけど、自分で作るときはやっぱりビシっと作るのね、と思ったりもしたわけですが(装丁はフランスのペーパーバックみたいだし)、付録はちゃんと切り貼りコピーホチキス製本だったのでちょっと嬉しい。

化け猫あんずちゃん (KCデラックス)化け猫あんずちゃん (KCデラックス)
いましろ たかし


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2008年05月27日

南博『白鍵と黒鍵の間に』

■ジャズ・ピアニストの南博さんが時々サイトで書いているウェブ日記は、南さんならではのダンディズムと独特のユーモアが好きで昔から愛読していたのだけど、ついに本が出たので喜び勇んで購入した。サイトでも断片的に紹介されていたバークリー留学前のエピソードを集めたエッセイで、ひさびさに読む前から「面白いに決まってる!」と思える本。

■クラシック・ピアノの勉強をしているひとりの高校生がジャズと出会い、小岩のキャバレーで演奏をするようになり、やがて銀座のクラブで演奏するようになる。たかだか20年くらい前、ちょうどバブルの時代の話。ハコバン、ホステス、ヤクザ等々、それほど昔の話とは思えない癖のある人々が描かれる。菊地さんがオビで「この本は、僕のどの本より面白いです」と凄いことを書いているが、実際滅茶苦茶面白くて半日で一気に読んでしまいましたよ。

白鍵と黒鍵の間に―ピアニスト・エレジー銀座編白鍵と黒鍵の間に―ピアニスト・エレジー銀座編
南 博


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2008年05月26日

吉田豪『バンドライフ』

■オススメです!

■インタビューの達人として有名な吉田豪氏による、バンドブームを作ったアーティストたちへのインタビュー集。インタビュー対象は森若香織、氏神一番、関口誠人、ダイヤモンドユカイ、水戸華之介、中山加奈子、阿部義晴、いまみちともたか、BAKI、石川浩司、サンプラザ中野、サエキけんぞう、NAOKI、KERA、仲野茂、MAGUMI、KENZI、イノウエアツシ、DYNAMITE TOMMY、大槻ケンジの20名。基本的には生い立ちから現在までのライフストーリーで、収入の話しとか結構突っ込んだ話にまで至っているものが多い。

■バービーボーイズの成り立ちが結構意外だったり、アナーキーのメンバーの複雑な間柄だとか、いろいろ読みどころはあるのだけど、リアルタイムでは興味がなかったりむしろ嫌いだったりしたひとも含めてみんな「現在の姿」がすごくかっこいい。特に読み応えがあるのは他の面々の倍の文字数を割いたナオキ(ラフィン、コブラ、SA)へのインタビュー。ここに載ってる話とカブるところもあるけど、必読だと思います。ほんとかっこいいなこの人。

バンドライフ―バンドマン20人の音楽人生劇場独白インタビュー集バンドライフ―バンドマン20人の音楽人生劇場独白インタビュー集
吉田 豪


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2008年04月28日

ロイド・ブラッドリー『ベース・カルチャー』

■ジャマイカ音楽の歴史を、背景となる政治経済事情もしっかりと踏まえて描いた大著。個人的にここ数年レゲエとかちょこちょこと聞くようになってたので、こういう本がまさにほしかったのだ。あとがきで訳者も指摘してるように、ダンスホールレゲエについては端的に著者が嫌いだという理由からあまり紙幅が割かれておらず評価も低いのだけど、そのあたりのバイアスや事実誤認については訳注なんかでかなりカバーされていて、すごいいい仕事してるなーと思った。見習いたい。

ベース・カルチャー レゲエ~ジャマイカン・ミュージックベース・カルチャー レゲエ~ジャマイカン・ミュージック
ロイド ブラッドリー 高橋 瑞穂


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2008年04月23日

円城塔『Boy's Surface』

■『Self-Refrence Engine』に続く、円城塔のハヤカワSFシリーズJコレクション第2弾。SFマガジンに発表されたものを中心に書きおろしを加えた短編集。いずれも数学的構造とかそういうのを主人公におき(よくわかってないです、すいません)、でもなんかラブストーリーっぽくあるという、スペキュラティヴ・フィクション集だ。『オブ・ザ・ベースボール』にくらべてもだいぶハードルが高いと思う。数学SFというと、個人的に思い出すのはラッカーとかなんだけど、調べてみたらインタビューで「もう少し踏み込んでくれれば面白いのに」とか言ってますね。実際ラッカーよりかなり「踏み込んだ」作風とはいえるけど、随所で笑えるところもあったりもして楽しく読んだ。

Boy’s Surface (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)Boy’s Surface (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
円城 塔


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オブ・ザ・ベースボールオブ・ザ・ベースボール
円城 塔


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Self-Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)Self-Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
円城 塔


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2008年04月02日

円城塔『オブ・ザ・ベースボール』

■昨年、早川より『Self-Reference Engine』(面白い!)で鮮烈なデビューをした作家の、こちらは文学界新人賞受賞作(タイトル作)を含む2つの短編を収めた本。おもしろいわー。

■タイトル作は、ある田舎町に一年に一度くらい人が降ってくるという設定。で、レスキュー隊が組織され、語り手はその一員なのだが、そのレスキュー隊員に配られているのがユニフォームとバット。で、みな日々バッティング練習をしていると。それだけで何だそりゃって話なのだが、そういう話が断章形式で綴られていて、印象としてはガルシア=マルケス・ミーツ・ヒバリミュージックって感じの奇妙でとぼけたユーモアがあり、それでいて何らかの方法意識が感じられるというもの。

■いっしょに収録された「つぎの著者につづく」は、簡単に言っちゃえば自分の作品がRという作家の剽窃であると言われた作家が、その疑いを晴らすべくRについて調べていくというような話なのだが、膨大なリファレンスつきでちょっとヌーヴォーロマン感のある作品となっている。こっちも面白い。

オブ・ザ・ベースボールオブ・ザ・ベースボール
円城 塔


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Self-Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)Self-Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
円城 塔


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2008年04月01日

買わなきゃいけない本メモ

■最近本はもっぱら図書館なのだが、以下の本は買わなきゃなのだ。ていうかむしろまだ買ってねえのかよ!って感じの本ばっかなのだが、超金欠でいつ買えるのか全然わかりません。不義理で申し訳ない。どれも読んでないけど面白いに決まってる!


萌える日本文学萌える日本文学
堀越 英美


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大谷能生のフランス革命大谷能生のフランス革命
大谷 能生 門松 宏明


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M/D マイルス・デューイ・デイヴィスIII世研究M/D マイルス・デューイ・デイヴィスIII世研究
菊地 成孔 大谷 能生


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服は何故音楽を必要とするのか?―「ウォーキング・ミュージック」という存在しないジャンルに召還された音楽達について服は何故音楽を必要とするのか?―「ウォーキング・ミュージック」という存在しないジャンルに召還された音楽達について
菊地 成孔


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2008年03月27日

高橋悠治『言葉をもって音をたちきれ』

■近著を読む前に、『たたかう音楽』と一緒に図書館で借りてきた本を。こちらのほうがさらに前に書かれたもので、72~74年くらいの間に書かれた文章が集められている。これが最初の単著とのこと。

■音楽にまつわる様々な制度(社会的・文化的な意味でも美学的な意味でも)が、やはり舌鋒鋭く批判される。そしてその問題意識はおそらくその後より社会運動的な内容となった『たたかう音楽』にも通底しているものだ。で、最近の「音響」とか「音響的即興」にも通じるような問題意識もここで既に出てきていたりして、非常に興味深い。

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今村仁司『貨幣とは何だろうか』

■94年刊。ソ連をはじめとする共産圏の崩壊がまだ記憶に新しかった時期にかかれたものだな、というのが随所からうかがえる。「貨幣とは何か」ということについて、経済学的見地ではなく哲学的見地から考えた本。

■貨幣の持つ「媒介」という役割は人間にとって根源的なもので、それは「文字」も同様であるとし、ルソーに代表される西洋哲学の文字批判・貨幣批判=「媒介」批判を批判する。媒介物をなくすことは人の持つ暴力性が剥き出しになることにつながり、その例がスターリンやポル・ポトだ、という。なんか飛躍がある気もするが。ていうか議論の前提として提示される「貨幣と『死の観念』は関係がある」という考え方がそもそもいまいちピンと来ないというか、よくわからない。

■ともあれ、3章および4章で書かれている、ゲーテ『親和力』とジッド『贋金つかい』を「貨幣小説」として読む、という試みは大変面白かった。文芸批評として普通に面白いと思う。

貨幣とは何だろうか (ちくま新書)貨幣とは何だろうか (ちくま新書)
今村 仁司


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2008年03月24日

高橋悠治『たたかう音楽』(晶文社)

■76~77年に集中的に書かれた文章を集めたもの。タイのクーデターや在日朝鮮人の運動などと絡めつつ、運動の場において歌、音楽が力を持ちうるとしたらどういうものなのか。そしてそういった力を持つに至っていない日本や欧米の文化状況を舌鋒鋭く批判する。
■いろんな意味できわめて70年代的な文章だと思うのだけど、では現在この問題意識はどのようになっているのか。実は現在においても全然通用する話をしてたりもするように思えるだけに、今の著者の考えも知りたい気がする(ので、近著も読んでみようと思った)。

■そして、「運動と音楽」「運動と歌」という話でいうと、「言うこときくよな奴らじゃないぞ」は実にエポックメイキングな曲だったんじゃないかなあと思ったりしましたよ。
■この本自体は現在は絶版になってると思うけど、たぶん平凡社ライブラリーのコレクションに入ってるものが結構あるんじゃないかと。

高橋悠治|コレクション1970年代 (平凡社ライブラリー (506))高橋悠治|コレクション1970年代 (平凡社ライブラリー (506))
高橋 悠治


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2008年03月21日

佐藤優『国家論 日本社会をどう強化するか』

■年末年始に続けざまに読んだ萱野稔人の著作の数々との関連性や、いとうせいこうが絶賛してることもあって興味を持っていた本。なるほどこれは面白い。

■基本的に著者の前提として国家とは基本的に悪であるという考えがある。暴力をコントロールし、官僚を通じて収奪を行うのが国家である。この辺の認識は『カネと暴力の系譜学』なんかとも通じるものがある。

■そこで国家の暴走を防ぐにはどうしたらいいのか、という話が本書では展開される。簡単に言っちゃうと「国家」と「社会」は別物なので、「社会」を強化することで「国家」を牽制しましょうっていうことだと思うのだけど、そういう話を進めるにあたって参照するのが前半ではマルクス『資本論』および宇野弘蔵、後半では柄谷行人のアソシエーション論およびカール・バルトの神学。特に後半やや観念的な話になりすぎてね?という気もしなくもないが、それでも随所にアクチュアルなたとえ話が入ってくることからある程度具体性を持って読むことはできると思う。これはねー、結構な収穫だと思うな。

国家論―日本社会をどう強化するか (NHKブックス 1100)国家論―日本社会をどう強化するか (NHKブックス 1100)
佐藤 優


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2008年03月18日

ジャック・ケルアック『オン・ザ・ロード』

■『路上』というタイトルで出ていた旧訳(河出文庫版)を読んだのはたしか学生時代。正直そのときはピンと来なかったというか、「タルいなあ」という印象しか残ってない。というかそもそも印象に残ってないかも。そのまま「ケルアックは退屈」というイメージが自分の中でついてしまった。

■が、各方面で今回の青山南による新訳『オン・ザ・ロード』が絶賛されているので再挑戦。そしたらこれがすげえ面白いの!まず全然印象が違うのが、ディーンが車をかっ飛ばす場面の疾走感。とにかくこんなにスピード感のある小説だとは全然思わなかった。

■そしてビバップ時代のジャズの現場を捉えた熱気あふれる描写。これはまあ、旧訳初読時にはあんま興味なかったから印象に残らなかったという可能性もあるけど。場末のクラブで若いミュージシャンたちがすげえぶっ飛んだビバップを演奏している様がすごく活き活きと描かれている。これだけでも読む価値はあると思う。

オン・ザ・ロード (世界文学全集 1-1) (世界文学全集 1-1) (世界文学全集 1-1)オン・ザ・ロード (世界文学全集 1-1) (世界文学全集 1-1) (世界文学全集 1-1)
ジャック・ケルアック 青山南


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2008年03月01日

マイク・デイヴィス『自動車爆弾の歴史』

■同じ著者の『要塞都市LA』『感染爆発―鳥インフルエンザの脅威』と面白かったので続けて読んだ『自動車爆弾の歴史』。タイトルどおり、自動車などの乗り物に爆弾を積むという形のテロリズムが20世紀に生まれ、それがどのように発展して今に至るのかというのを詳細にまとめた本。

■強硬なシオニストたちがイスラエル建国前後に採用した戦術がパレスチナゲリラによって発展的に継承されてたり、敵味方を超えてテクノロジー(爆薬の種類とか)と戦術(車の種類とかターゲッティングとか)が受け継がれ発展していく様子というのはなかなかすげえもんだなあと思う。あと、それに対する政府等の国家機関や大企業といった、自動車爆弾攻撃の対象にされる側にいまひとつ危機感や認識が足りてなかったり、対策がピントはずれだったりっていうのを指摘してまわる語り口は『感染爆発』とも非常に近いものがあって、これっていうのはもうこの著者のスタイルなんだなあと思った。

自動車爆弾の歴史自動車爆弾の歴史
マイク・デイヴィス 金田 智之 比嘉 徹徳


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2008年02月22日

En-taxi 19号

■先日阿佐ヶ谷ロフトで行われた仲俣さんのイベントは大変盛況でびっくりしたわけなんだけど(トークイベントってはやってますよねー←棒読み)、そんときに聞いたEn-taxi編集長の話が大変面白かった(他の人の話も面白かったけどね)。

■で、その時に話題になった記事のひとつがこの号の巻頭に載っているヤンキースタジアム訪問の記事。単に野球観にいっただけなのにそれが仕事になるってのはうらやましいなあという話なんだけど(笑)、それより何よりこの号で注目なのはミュージシャンによる小説2本だろう。

■ECD「酩酊」は100枚一挙掲載。アル中時代のことを描いた私小説(『失点イン・ザ・パーク』は入院したとこから始まるから、その前日談ってことになるのかな)。一応登場人物は仮名になってるが、まあすぐわかります。ていうか全部『いるべき場所』のほうでは実名になってるからね(笑)。ぐいぐい読んじゃいました。そろそろ本にならないかなあ。

■そして大江慎也の「気違いピエロ」。前号に載ってたやつもかなりヤバいオーラを発していたが、今回も実にヤバい。基本的には思い出を断片的につらねているだけなのだが、なんかこうつながりとかがいちいちおかしいんだよね。小説になっているのかどうかも怪しいが、ついつい読んでしまう。最新号の20号でも書いてる(なんかモメたという話だが)はずなのでそれも近々読もうと思った。

■あと福田和也の原稿でストゥージズの話が出てきてますが、「I Wanna Be Your Dog」のギターはジェームズ・ウィリアムソンじゃなくてロン・アシュトンですよ!(それともライブ盤の話をしてるのかね)

en-taxi No.19 (AUTUMN 2007) (19) (ODAIBA MOOK)en-taxi No.19 (AUTUMN 2007) (19) (ODAIBA MOOK)
福田 和也


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2008年02月13日

Sweet Dreams issue 1

■昨年創刊されたZine。これは超おすすめですよ!

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■基本的には音楽雑誌なんだろうけど、音楽の記事にしてからが超強力なJANDEK特集だったり、ほかにも短編小説の翻訳(これがまた気の利いた作家を選んでくるんだよねー)や写真家が取り上げられてたり。「音楽」がベースになった総合カルチャー誌、みたいなものには目がない(もっと出てきてもいいよねえ)ので非常に気に入りました。次号が待たれる!

公式サイト

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2008年02月04日

マイク・デイヴィス『感染爆発―鳥インフルエンザの脅威』

■実のところトリインフルエンザについて特に関心があったわけではない。そんならなんでこんな本を読んだのかというと、この著者の『要塞都市LA』が超面白かったから。で、本書も『要塞都市LA』にくらべるとややライトだが期待にたがわず面白い。

■インフルエンザについての概説、過去の世界的大流行(パンデミック)の経緯、そして現在にいたる世界各国の対策状況(というか、対策できていない状況)、といった内容。インフルエンザウィルスがいかに強力か。利益重視のグローバル製薬会社、対応の遅い各国政府、そして最貧国のスラムが流行の温床となっていく仕組みを告発する。

■『自動車爆弾の歴史』も図書館に頼んであるので早く読みたいなーと思いました。

感染爆発―鳥インフルエンザの脅威感染爆発―鳥インフルエンザの脅威
マイク デイヴィス Mike Davis 柴田 裕之


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2008年01月26日

萱野稔人『国家とはなにか』『カネと暴力の系譜学』『権力の読みかた』

■年末から立て続けに萱野稔人の著作を読んだ。

■『国家とはなにか』では国家=暴力装置である、というテーゼを提示。国家とは合法的に暴力を行使できる機関であると論じられる。

■続く『カネと暴力の系譜学』では卓越した暴力を背景として富を収奪するという国家の基本的なありかた(税とはヤクザのみかじめ料と同じである)を説明。前著と重なる部分も多いが、ヤクザ組織などの非公式な暴力組織を国家がどのように利用しているかといった話は興味深い。

■最新作の『権力の読みかた』は副題にもあるように「状況」と「理論」のパートに分かれている。特に「状況」のパートは前2作で展開された理論をふまえて現在の政治・社会状況(ナショナリズム、対テロ戦争、ポピュリズム政治等々)を分析したもので大変面白い。

■どの本についても言えるのは、とにかく文章が明晰であるということ。引用は多いがいたずらにペダンティックになることがなく、読んでてしっかり論旨を追うことができる。こういうの、実はかなり稀だと思います。

■それで思い出したんだけど、今こんな連載をしてるのね。後で読もう(メモ)→「交差する領域

『国家とはなにか』『国家とはなにか』
萱野 稔人


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カネと暴力の系譜学 (シリーズ・道徳の系譜)カネと暴力の系譜学 (シリーズ・道徳の系譜)
萱野 稔人


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権力の読みかた―状況と理論権力の読みかた―状況と理論
萱野 稔人


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2008年01月24日

イルクーツク2

■「goningumi」(柴崎友香 長嶋有 名久井直子 福永信 法貴信也)による文芸同人誌の第二号(第一号は「メルボルン1」)。まず目を惹くのが造本。普通に折って製本するのではなく、一枚一枚を重ねてそれを糸で綴じるという形(と、いう説明で合ってるのかな?)。表紙にはかなり厚めの紙が使われ、表紙にも本文にもさまざまな工夫が施されている。

■中身については、同人の作品もさることながらゲスト?の作品がまたいちいち面白い(いしいしんじの「塩浄瑠璃」はかなりブッ飛ぶこと請け合いです。すげえ)。執筆者それぞれが何らかの「新しさ」を共有しているような気がする。2100円という値段は高めに思えるかもしれないけど、ぼくは全然損じゃないと思うね。

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2008年01月16日

若島正『ロリータ、ロリータ、ロリータ』

■連休中(Filthのライブ後)に風邪を引き、布団の中で読み終えた一冊。いやー、これは面白い!ナボコフを読む、『ロリータ』を読むとはどういうことなのか、テクストのほんの一部を抜き出して様々な角度から読み方の例を示す。テクストに縦横無尽に織り込まれた仕掛けがあざやかな手つきで明らかにされてゆく様は圧巻であると同時に、おそらくそれですらも決して「すべて」ではないのだろうということが予感され、著者も言うように「『ロリータ』を読むという行為」には終わりはないという実感がもたらされるとともに、「何はともあれもう一回読もう!」という気にさせられる。いやー小説を読むってのは楽しいよなあ!

ロリータ、ロリータ、ロリータロリータ、ロリータ、ロリータ
若島 正


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ロリータ (新潮文庫)ロリータ (新潮文庫)
ウラジーミル ナボコフ Vladimir Nabokov 若島 正


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2007年11月12日

ECD『いるべき場所』

■ここ一ヶ月くらいつきっきりで作業してた本がもうすぐ発売になります。

いるべき場所いるべき場所
ECD


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■ECDの著書というと、これまで出たものは『ECDIARY』と『失点イン・ザ・パーク』。前者はタイトル通りの日記、後者はアル中治療時代のことを描いた私小説。それ以外に「新潮」や「En-Taxi」に掲載された短編もだいたい自伝的な色彩の強い私小説だ。

■で、今回はオビにも大きく「ECDの音楽史」と謳っているように、音楽を通して半生を振り返ってもらう内容になっている。過去に「Recorder」とか「QJ」とかで「日本語ラップシーンを振り返る」とか、「東京のパンクシーンを振り返る」みたいな記事はあったけれど、今回は生まれてからつい最近まで。
生まれて間もない頃の記憶、ロック少年時代、劇団で活動しつつパンクに出会った時期、そしてヒップホップと出会いECDとしてデビュー、さんピンCAMPなどで日本語ラップシーンの基礎を築きつつも、そこにも違和感を感じ新たな場所を捜し求める。そんな時々で目撃したシーンの数々を綴った内容で、ある種「東京の同時代カルチャー史」ともいえるような一冊になっていると思う。
ということで、ECDファンはもちろんのこと、それ以外にも様々な人に読んでもらいたいし、読んでもらえる本ではないかと。乞うご期待!

■そしてその発売を記念して12/7にはアップリンクファクトリーさんで記念イベントを行います。著者秘蔵の貴重な映像、未発表音源なんかを流しつつのトークで、ゲストには野田努さんをお招きしますよ!さらに当日ご来場の方70名先着で、著者作成のCD-Rプレゼントも行います。こちらの内容は当日までのお楽しみ!

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2007年10月14日

内田樹『村上春樹にご用心』

■内田樹の本、以前は出れば必ず買っていたのだけれど、最近は正直ぜんぜんフォローできていない。本出しすぎ!っていうのもあるし、ちょっと政治的に首をかしげる箇所が多くなってきたせいもある。ともあれ久々に購入した最新刊。

■タイトルどおり、村上春樹に関するテキストを集めたもの。多くは初出がブログだが、一部雑誌等に発表されたものもある。ものによってはかなり加筆が加えられている模様。「村上春樹はなぜ世界中で読まれるようになったのか」というのが大きなテーマであり、村上春樹の小説の多くに見られる物語構造を読み解くことでその答えを提示している。それ自体は面白いし「なるほど」と思う。また、その視点は他の小説を読む際にも新たな補助線というか座標軸というか、そういうのを与えてくれるものでもある。ぼくにとっては優れた批評というのは、「それによってものの見方が変わる」ような新たな座標軸を与えてくれるものだと思っているので、そういう意味では本書もすぐれた批評だと言っていいと思う。

■んだけど、なんか引っかかる点があって、それは何かというと、執拗に繰り返される「批評家」「評論家」批判なのね。村上春樹が評論家を「馬糞のようなもの」と言っているというのを嬉々として何度も引用してたり。そういう政治性がどうしても引っかかって、「スリリングな批評を読んだ!」という爽快感がだいぶ減じられてしまったのが非常に残念ではある。

■とはいえ、村上春樹の小説についての「読み」に関しては非常に面白いのは確かなので、一読をお薦めはしますよ。

村上春樹にご用心村上春樹にご用心
内田 樹


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松岡正剛『ちょっと本気な千夜千冊虎の巻―読書術免許皆伝』

■松岡正剛の「千夜千冊」といえば言わずとしれた、一日一冊本を紹介する、というのを千冊にわたって続けていた(そして現在は千冊をとっくに越えて、毎日じゃなくなったけど今でも続いている)すげえサイトである。何か調べる際にとりあえず参照することの多いサイトのひとつで、個人的にはWikipediaあたりよりも全然重宝してたりする。

■書籍化もされたのだが、こちらは大幅に加筆・再編集がほどこされ、10万円とかするようなバケモノじみたものになった。当然そんなもんは買えません(が、割と売れてるみたいね。そんなの一回作ってみてえなあ、とは思うけど)。で、本書はその書籍版「千夜千冊」について、特にお薦めの本をピックアップしたりしながら概説するというもの。インタビュー形式で読みやすいが、こちらも内容は結構濃い。本の紹介だけでもなかなかありがたいのだが、それ以外にも松岡正剛流の「読書術」について語ってるあたりが読みどころかと。身体的に読書をする、というのは今読んでる内田樹『村上春樹にご用心』でもキーワードだったりするので、併読すると意外といいかも。


■『CONTENT'S FUTURE ポストYouTube時代のクリエイティビティ (NT2X)』でさわりだけしてたような話がもうちょっと詳しく出てきたりもする(たぶん、全集版『千夜千冊』にはもっと詳しく書いてあったりするんだろうけどね……)ので、そちらの読者にも併読推奨。たまたま手に取った本がこうやって連環していく、というのは読書の歓びですな。

ちょっと本気な千夜千冊虎の巻―読書術免許皆伝ちょっと本気な千夜千冊虎の巻―読書術免許皆伝
松岡 正剛


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村上春樹にご用心村上春樹にご用心
内田 樹


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CONTENT'S FUTURE ポストYouTube時代のクリエイティビティ (NT2X)CONTENT'S FUTURE ポストYouTube時代のクリエイティビティ (NT2X)
小寺 信良 津田 大介


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2007年10月10日

伊藤計劃『虐殺器官』

■早川SFシリーズ Jコレクションといえば西島大介『アトモスフィア』()()や円城塔『Self-Reference Engine』など注目作が目白押しなわけだけれど、近未来を舞台にした正統派SFの本書もこれまたえらく面白かった。

■9.11以降、先進国では個人認証の技術が進み、誰もがあらゆる個人情報を記録されている。一方、後進国では内戦などによる虐殺が横行。主人公はアメリカ軍の特殊部隊に属する軍人で、そうした虐殺の鍵を握ると思われる要人の暗殺を職業としている。そして、彼らの行く先々で姿をチラつかせる謎の男の存在が浮かび上がる……。

■セキュリティの名の下で管理されるプライバシー、軍隊や刑務所にいたるまで進む民営化など、なんとなく設定上は「ギートステイト」なんかとも重なる部分が多い。というのはやっぱSFが描く「未来」は常に「現在」を反映するものだから、なんでしょうな。

■主人公の心に圧し掛かる罪、それを投影して主人公の眼前に現われる「死者の国」、任務で訪れるたびに繰り返される地獄絵図、重いテーマを扱いつつもサスペンスフルにガンガン読ませる、非常にクオリティの高い作品かと。

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
伊藤 計劃


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2007年09月18日

【新刊】レッグス・マクニール&ジリアン・マッケイン『プリーズ・キル・ミー』予約開始

■ということで、先日ちらっとお伝えした新刊ですが、アマゾンにて予約が始まっております。どしどし予約してね!自慢じゃないけど超面白いので!

プリーズ・キル・ミープリーズ・キル・ミー
レッグス・マクニール/ジリアン・マッケイン 島田陽子


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2007年09月15日

円城塔『Self-Reference Engine』

■各方面で話題の大型新人デビュー長編。なるほどこれはすごい。「イベント」以降、時間の進み方がバラバラになってしまった世界を舞台にした短いエピソードの集積。「四次元」というのは我々三次元の存在には視覚的に想像することができないわけで、この本で実際に起こっている事態というのもうまく想像するのが大変難しい。

■が、時に衒学的に、時に思索的に、時にバカバカしくデタラメに、時に笑えて時に泣けるエピソードの数々は、理系出身者ならではのハードなSF的想像力も含めてなかなかに新人離れした筆力だと思う。こういうのが出てくるから小説は目が離せないってもんだ。

■最近、日本の音楽ってのは世界的に見てもかなり個性豊かで面白いのではなかろうかなんて思ってる(し、そう言ってるひとは少なくともぼくの周りには少なくない)のだけど、小説も案外そうかもしれない。もっと小説読まなきゃなあ。

Self-Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)Self-Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
円城 塔


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2007年09月02日

小寺信良・津田大介『CONTENT'S FUTURE』

■出てすぐ買ったのだけど、ようやく読んだ。いや、すげえ面白いっすよ、これ!

■IT系ライターの両氏が、コンテンツビジネスの最前線にいる人々と鼎談。「放送と通信の融合」を視野に入れたテレビ・ラジオ業界の展望。音楽業界を筆頭に、権利者たちの様々な思惑が交錯し行き詰まりつつある著作権制度などなど、興味深いテーマの数々。

■椎名和夫氏の章での、現在の音楽業界は老舗のガンコな蕎麦屋のようなもので、今は柔軟な二代目の登場が待たれる、なんていう発言を筆頭に、数々の提言をブチあげている津田さんの「生意気な青年」キャラっぷりがおもろいなー。トークなだけに、今まで読んだ著書とくらべて普段喋ってるときの印象に近い気がします。「Life」リスナーの津田ファンは必読ではないかと。小寺さんは年長者なせいかどちらかというと津田さんに対しては突っ込みにまわるほうが多いようだが、それでもビシっと主張するところはする。映像業界で実際に制作の現場にいたひとだけに、主張にもリアリティが感じられる。

■で、個人的な興味の対象となるのはやはり書籍の未来。鼎談の相手は松岡正剛。千夜千冊を読んでると、主に政治的なスタンスの部分でちょっと微妙だなーと思うこともあるひとなのだけれど、そうは言っても「書籍」という形態についてポジティブな発言が読めるのは嬉しい。なんだかんだでテレビなんかより未来は明るいんじゃないかとすら思える。雑誌は厳しいかもしれないけど、やっぱ本というメディアは実際完成度高いと思う(まあぼくの場合は思い入れも多分にあるのであれだけど)。
 電子書籍がいまいち伸びない理由について、書籍はそれ自体がすでに充分にモバイルだ、という指摘はなるほどと思ったし、あと紙に変わる、安くて魅力的な新素材が待たれるという話なんかは結構膝を打つものがあった。そうなの、最近よく話すのだけど、著者に払う印税より印刷所に払う費用のほうが高いのとか、どうかと思うよなあ。アナログレコードからCDになって材料費が大幅に下がったというような技術革新が書籍にも起ることをせつに望みます。その際には、CDみたいに原価は下がってるのに定価は下がらず印税も上がらない、なんてことがないことも望みます。

■この本自体がクリエイティブ・コモンズ・ライセンスでのリリースであり、また鼎談の一部を映像配信したり著者たちによるネットラジオの配信が行われたりと、本から派生した「コンテンツの未来」的な試みが行われているのも興味深くかつ心強い。有言実行っていうのはなかなかできないやね。

CONTENT'S FUTURE ポストYouTube時代のクリエイティビティ (NT2X)CONTENT'S FUTURE ポストYouTube時代のクリエイティビティ (NT2X)
小寺 信良 津田 大介


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2007年08月23日

早稲田文学

■フリーペーパー時代を経てついに早稲田文学が復活。気分も新たに創刊0号としての再出発。これがなかなかの充実ぶり。

■前と後ろ両方が表紙になった両A面形式(小説サイドと評論サイド、なのかな)。小説ではいきなり芥川賞候補作の川上未映子「わたくし率 イン 歯ー、または世界」がトップをかざる。これがいきなりかっとんだ面白さ。他にも中原昌也の「執筆委任」、鹿島田有希「美しい人」、青木淳吾「日付の数だけ言葉が」等々これ一冊でかなりお腹一杯なラインナップだ。

■一度つぶれた雑誌を立て直すというのはなかなか大変なことだと思うけど(実際、ぼくの伯父さんはそれで失敗してたりするのねw)、これだけ力の入った紙面づくりを続けてくれるのえあれば是非応援したい。

わたくし率イン歯ー、または世界わたくし率イン歯ー、または世界
川上 未映子


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2007年08月17日

ミシェル・ウエルベック『ある島の可能性』

■フランスのSF作家(なの?)による思弁SF(スペキュラティヴ・フィクションてやつですね)。「インビテーション」の三田格さんによる書評を読んで気になってた一冊。

■2つのプロットが交互に語られる。「ダニエル1」と「ダニエル24」(後半からは「ダニエル25」)がそれぞれの語り手。ダニエル1のほうはほぼ現在を舞台にしており、ダニエル24および25はクローン技術によって生まれたる遠い未来の「ネオヒューマン」たちだ。哲学的なコメディ作家として高い評価を得ているダニエル1の「人生記」。それに対するダニエル24および25による「注釈」によって話が進められる。

■えーと、どこまで書くとネタバレになるのか判断に苦しむところがあるのでストーリー紹介はここまでとしておくけど、個人的にはいかにもフランスのSFだなあと思ったフランス映画でSF的な要素を取り込んでいるやってこういうノリのが多い気がする(テキトーかつ漠然とした話ですいません・苦笑)

ある島の可能性ある島の可能性
ミシェル・ウエルベック 中村 佳子


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2007年08月08日

残雪『突囲表演』

■佐々木敦さんのブログで「アタマがアレになった人が書いたとしか思えない驚異のメタフィクションにして唯一の邦訳長編」なんて書いてあったので、「そそそそれは読まねば!」と思って図書館で借りてきた。なるほどこりゃすげえや。あ、松岡正剛の「千夜千冊」でも紹介されてますな。

■基本的には中国の田舎町を舞台に、謎の女性「X女史」の「姦通事件」をめぐり、周囲の村人たちが「藪の中」的にさまざまなことを語るマジック・リアリズム小説、というような感じ。著者の両親は文革の際に「右派」とされて結構つらい思いをしているようなので、「X女史」に詰め寄る村人たち不条理ぶりなんかはそういった経験が反映されているのかな、なんて思ったりもするのだがそこにはとどまらない。「筆者」と称する語り手がまた曲者で、中原昌也+森見登美彦みたいな大仰かつ饒舌な文体で語られる。いやあこんなブッ飛んだ小説はひさびさに読みました。世界は広いなあ。

■河出から今度スタートする池澤夏樹・編の世界文学全集にも、残雪の未訳作品「暗夜」が収録されるという。楽しみです。それまでに他の作品も読んでおこうと思う。
ちなみにこの全集、他に個人的に楽しみなのは青山南の新訳によるケルアック『オン・ザ・ロード』と沼野充義の新訳によるナボコフ『賜物』とかかなあ。

突囲表演突囲表演
残 雪 近藤 直子


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2007年07月23日

古川日出男朗読GIG映像@YouTube

京都で行われた朗読ライブの映像が。

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2007年07月18日

「新潮」8月号

■仲俣暁生さんのブログで触れられていた橋本治・浅田彰対談が読みたくて購入。が、基本的に日本美術の話が中心でいまいちピンと来なかった。まあ全体的に、ガツンと突き抜けちゃった橋本治に対していまひとつキレの悪い浅田彰、という印象。しかしながら個人的に膝を打ったのは浅田彰の

「ディシプリン」だけれど、日本語で言えば要するに「躾け」ですね。姿勢をちゃんとしなさいとか、げらげら笑ってちゃいけませんとか(笑)

という発言。なるほどー、さすがうまいこというなあ、なんだかんだで頭のいいひとは違うなあ、と思いました。

■で、珍しく掲載されてる小説も(連載ものを除き)ざっと読んでみた。大竹昭子「見学随時可」という短編が結構おおっ!と思う出来。中年サラリーマンが散歩中に立ち寄ったマンションで変わった物件を発見し、誰にも内緒の隠れ家としてそこを借りることにする。が、そこからだんだん悪夢的な展開に……、というようなもの。なかなかゾクっとくる幻想小説。

■あと田中慎弥「蛹」というのが変な小説だなぁと思った。かぶと虫の幼虫が主人公なの。変に重厚な文体で、幼虫の物思うさまを描くという。

■ちょっと前にomo*8くんに「文芸誌なんか普通に買ってるんですねー」と感心されたことがあるのだが、実際たまに読むと面白いですよ。

新潮 2007年 08月号 [雑誌]新潮 2007年 08月号 [雑誌]


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2007年07月09日

スタジオボイスの政治特集号

■水越真紀、雨宮処凛、三田格、田中康夫、高祖岩三郎、ECD、外山恒一となかなか豪華メンバーが揃っているので買ってみたよ。

STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2007年 08月号 [雑誌]STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2007年 08月号 [雑誌]


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■まだ読んでないので感想はのちほど。ちなみに仲俣暁生さん

ついでにこの特集、「初心者のための政治アイテム22」と称した必読書&映画ガイドがあまりにひどいので、いくつかこちらで追加

といって本などをいくつかあげている。個人的にさらに追加するとするならば、本ということでいうと、まずは大学受験用の参考書でいいから世界史のテキストを読むべきなんじゃないかな。

これ、あくまで自戒をこめてというか受け売りなんだけど、ちょっと前の論座で柄谷行人が左翼になるためのブックガイドみたいな記事の中で、「まずは世界史を一通りおさえろ」と書いていたのにハッとしたのであります。これはほんと、自分もできてないことなので、近々何か適当な教材を買って勉強したいと思ってるところ。

投稿者 junne : 23:23 | コメント (0) | トラックバック

2007年07月08日

吉田アミ『サマースプリング』

■一読してとにかくまず思ったのは「よく出した(出せた)なー」ということだ。

■本書は著者が中学生のときに体験した「地獄の季節」を記録したノート(10年にわたって綴られたそうだ!)がもとになっている。現在の著者の手によって全面的に手が加えられているが、おそらく痛いとか恥しいとかそういう理由で削ったような箇所はないんじゃなかろうか。中学生らしい自意識と周囲の軋轢なんかが生々しく残されている。著者は76年生まれということで、ぼく(75年生まれ)とほぼ同世代だ。ちょうど「校門圧死事件」なんてのがあって、校則の厳しい学校教育が問題になったりしてた時期(『ぼくらの7日間戦争』でワクワクしたクチですよ!)、「ゆとり教育」なんてことが言われだす前のこと。

■周囲との摩擦、そして家庭も無残に壊れていく。そんな中で発せられる「プライマル・スクリーム」としてのハウリング・ヴォイスの原点。そして現在の彼女の持つある種の「強さ」の原点が描かれる(ここはほんとに感動するよ)。

■ある意味かつてこんな本は存在しなかったと思う(さすが、前衛家ならではですね)。みんな買うといい。

サマースプリング [文化系女子叢書1]サマースプリング [文化系女子叢書1]
吉田アミ 郡淳一郎/木村カナ タナカカツキ


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2007年07月01日

between 2~5

■先日Lilmag店主から取り置きしていたミニコミをばっさり受け取った(けど、手持ちが足りなくてお金を払えませんでした、ごめんなさい!今度ちゃんと払います!そういえばその翌日は呑み会でお金が足りなくて、超久々に会った友達にお金を借りたのだった!ダメじゃん大人なのに!猛省!!)のだけど、その中にあったのが「渋谷系とその時代」トークも大変面白かった(イベントの感想は後日書きます)ばるぼらさんのミニコミ「between」の2~5号。

between2.jpg

■前にもちらっと紹介したけど、「3分以内に読み終わる」ことを目的とした「ミニなミニコミ」で、基本的に古本紹介の本。よくもまあこんなものを見つけてくるよなあ、というようなものもあれば、「あ、それ俺も持ってる!(ロマゴー紙版とか)」とちょっと嬉しくなるようなものもあり。が、一番衝撃的だったのは「買ったらすぐ読んじゃうので積ん読がほとんどない」という記述だった!凄すぎる!

投稿者 junne : 14:53 | コメント (0) | トラックバック

2007年05月07日

GW前半に読んだミニコミなど

■GW前半(弊社はカレンダーどおりの営業)は体調が思わしくないこともあって基本的には家で家事とか読書とかして過ごした。ということで、GW前半に読んだZineなどをご紹介(すべてLilmag Storeで入手)

Super Heroes

d070505a.jpg

架空のスーパーヒーロー(?)のイラスト集。ロールシャッハ感のある奇怪な造形で、ちょっと山塚EYEの描く絵に通じるセンスがあると思った。

Hair Zine

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8cmCDサイズのミニ・コミックというか絵本?いろんな場面や文字に隠された縮れた毛を探せ!こういうのがレコード屋とかにさりげなく置いてあるのを見つけたりすると、きっと嬉しいと思う。

アンチズム no.1甕生活

d070507c.jpg d070507d.jpg

熱い&厚い!160ページとかあるのにコピー誌でしかも版型が変則(縦長)。ガワから感じられる熱気は、中身を読んでも裏切られることはないだろう。えーと、内容を説明するのはすっごく難しいのでみんな買うといい。

between 1

d070507h.jpg

ばるぼらさんが「3分で読める内容」というコンセプトで立ち上げたミニコミ。肩の力を抜いて継続的に出していこうという趣旨で、中身は手近にあったもののレビュー。とはいえ取り上げられているもの(ほとんどが珍しい古本)は結構濃かったりするので読後はしっかり充実感は感じられる。続きに期待!

■そしてネット通販が苦手な人に朗報!5/12の2525稼業野外ライブ@代々木公園の際に、Lilmag Storeの出張販売が。ゲストに、Extreme NightでFilthと共演してもらう鈴木新さんも参加するということでこれは必見でしょう。

投稿者 junne : 23:01 | コメント (0) | トラックバック

2007年04月16日

雨宮処凛『バンギャル・ア・ゴーゴー』

ヴィジュアル系バンドの追っかけの女の子を描いた小説。著者も追っかけだった経験があるということなので、自伝的とは言わないまでも実際に見聞きしてきたことが描かれているんだろうと思う。

北海道の田舎町に住むいじめられっこ気味な優等生が、中学でヴィジュアル系と出会い追っかけになる。学校や親など周囲との軋轢。追っかけを通して出会った友達。やがて高校を中退し、東京へ……。

地方のライブハウス周辺での追っかけカルチャー描写はいろいろと興味深いし、著者がぼくと同い年だったりするので「あー、あったあった!」と思うような記述も多い。そういった風俗記録としての面白さもさることながらそれと同じくらい、いやそれ以上に多くの紙幅を裂かれているのが主人公(≒著者?)の独白だ。周囲の理解が得られず仲間内だけで孤立していく。ただ「バンドが好き」「バンドマンが好き」ということだけがよりどころで特にやりたいことも得意なこともなく、強い自意識をもてあます。なんかこう、地方の文化系女子に対する抑圧のキツさ、みたいなものがビシビシと伝わってくる感じで痛々しいことこのうえない。『グミチョコ』も情けなかったけど、こちらはもっと徹底的に救いがない。

余談だけど、「ヴィジュアル系」っていう言葉自体が出てきたのは実際にはこの本で描かれてるよりもうちょっと後なんじゃないかという気がする。93年くらいじゃなかったっけ?個人的には大学入ってから(93年度入学です)出てきたと思うんだけど。最初は「お化粧系」とか言ってたよね?

バンギャル ア ゴーゴー 上バンギャル ア ゴーゴー 上
雨宮 処凛


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バンギャル ア ゴーゴー 下
4062133695雨宮 処凛

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2007年04月12日

Our Band Could Be Your Life

■3ヶ月ほどかかってようやく読み終えた。80年代のUSインディーズ史を、代表的なバンドのバイオグラフィで綴った本。登場するバンドは

・Black Flag
・Minutemen
・Mission of Burma
・Minor Threat
・Husker Du
・The Replacements
・Sonic Youth
・Butthole Surfers
・Big Black
・Dinosaur Jr
・Fugazi
・Mudhoney
・Beat Happening

■SSTがまったくの手探りで始まったところから、91年のニルヴァーナ旋風あたりまでが対象になっている。各アーティスト当人および周辺の人々への取材も結構丁寧に行われているようで、随所で本人の発言が引用される形式。Minutemenに関しては去年の映画と結構重なる部分があるので、同じインタビューがもとになってるんじゃないかな(そしてそのMinutemenの章では、やはり最後のD.Boonの死のところが泣けます)。

■Butthole Surfersはあまりにクレイジーだし、Fugaziはあまりにかっこいいし等々、個別に語られるエピソードの面白さはもちろんなのだけど、あまり興味のないバンドの分も読んでいくと、一冊を通してアメリカのインディシーンの変遷が浮かび上がるようになっているのがなかなか構成の妙だと思う。いい本です。

Our Band Could Be Your Life: Scenes from the American Indie Underground 1981-1991Our Band Could Be Your Life: Scenes from the American Indie Underground 1981-1991
Michael Azerrad


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2007年04月06日

菊地成孔『聞き飽きない人々』と発売記念トークイベント@ジュンク堂新宿店

■以前学研からリリースされた「200CD」からのスピンオフ企画として出版された『聴き飽きない人々』。要するに「200CD」収録の対談をピックアップして大幅増補したものだ。「200CD」の時点では取り上げられた音楽ジャンル(ビターブラック、スイートブラック、ラテン、ポップス、クラシック/現代音楽、ジャズ)の全てにおいて「80年代はダメだった」という評価に落ちついたのだけど、今回の『聴き飽きない人々』で追加で収録された「アフリカ」の章では、「アフリカン・ポップスは80年代がピーク、というか80年代しかない」という驚愕の結論が。

■大量の音源について言及されてはいるけれども、ディスクガイドとしてまとめたページというのがない分だけ「200CD」に比べると実用性では劣る。こちらはあくまで「オモシロ音楽談義」を楽しむというのがメインだろう。もちろん、ディスクガイドを作成するために行った対談だから、ここに登場するディスクを拾ってくだけでも面白いとは思うけど。

■ということで4月5日(木)には発売記念イベントとして、「80年代は永遠にダメなのか?」と題してトークイベントが行われた。聞き手は元ユリイカ編集長の須川さん。ちょうど二人の年代が近いこともあって「80年代観」をかなり共有している模様で、なかなか盛り上がったのではないかと。

■もう何年も「来る来る」と言われていた80年代リバイバルだが、どうもこのまま永遠に来ないんじゃないかという話から、以下気になったキーワード

・Perfumeはたぶんこのままずっと来ない(チャート的には)
・若者たちの動物化を超えた退行ぶり
・雇用が悪いと顔つきが変わる
・現在の80'sリバイバルはあくまで音色レベルの話で、作曲技法には及んでいない
・アフリカン・パーカッションの音色と80年代レコードのサウンドとの親和性

等々。何年かしてからもういちど「結局80年代は来たのか?」という検証をしたいかも(笑)

聴き飽きない人々聴き飽きない人々
菊地 成孔


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2007年03月30日

AERA '07.4.2号

現在発売中の「アエラ」巻頭記事の「ワーキングプアーの大逆襲」が良い。

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派遣などの非正規雇用者による新しい形の労働組合、そして高円寺ニート組合などの活動についてのレポート。立場の弱い非正規雇用の若い女性が携帯メールやmixiのコミュを使って会社に知られないように根回しをして組合を立ち上げる経緯などすごくためになるし、水越真紀さんによる高円寺ニート組合などの、ネタっぽいノリの政治活動についてのレポート記事も面白い。こないだ紹介した「riot grrrlというムーブメント」のvegangrrrlさんも取り上げられてます。

あと、後ろのほうに載ってる音楽の記事で「ダウンロードDJ」とかいって、やけのはらと露骨キットが紹介されてたりするのも笑う。

投稿者 junne : 13:21 | コメント (0) | トラックバック

2007年03月28日

ニューヨーク烈伝―闘う世界民衆の都市空間

■ニューヨークは、ぼくが今まで一番多くの回数訪れている外国の都市だ。初めて行ったのが98年だったかな。この時点ですでにジリアーニによるジェントリフィケーションは相当進んでおり、街のあちこちに警官が立っていて、特に怖い思いをすることもなかった。まあ、1~2週間かそこら滞在するだけの観光客にとってはそれはそれでありがたいことではある。

■が、それによってニューヨークから失われたものが確実に存在する。それは「文化」とか「刺激」とかいったある種「嗜好品」的なものだけではなく、より実際的な多くの問題をはらむ。家賃の値上げによって追い出される人々、とか(そして、これって現在東京に住む上でも見逃せない問題だと思うのだ)。CBGBの移転とか、Tonicも危ない、なんてのもそういう流れの中にある。

■高祖岩三郎『ニューヨーク烈伝―闘う世界民衆の都市空間』は、さまざまな人種・階級からなる民衆の闘争の場としてのニューヨークを描いた本。基本的に「ニューヨーク本」とかっていうのは「ニューヨークっていいよねー」で済んじゃうようなものが多い(偏見です)のだけど、この本は一味違う。いろいろと我々が学べる本だと思う。ABC No Rioの話とか、血が騒ぐことこの上ない。選挙の前に読んでおきたい一冊だ。実はこの本は図書館で借りて読んだのだけど、近いうちにちゃんと買います。

ニューヨーク烈伝―闘う世界民衆の都市空間ニューヨーク烈伝―闘う世界民衆の都市空間
高祖 岩三郎


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2007年03月12日

CRASS ストーリー

■新宿のアナキスト・インフォショップ「Irregular Rhythm Assylum」(IR.A.)制作のパンフレット。世界のパンク/HCに多大な影響を与えたアナーコ・パンク・バンドCRASSのシングル・コレクション・アルバム『Best Before 1984』についていたライナーノーツを邦訳したもの(英文も併録されている)。バンドのおおざっぱなヒストリー。「パンク」、そして「音楽」や「カルチャー」になにがしかの「意味」を求めたいひとは必読。ぼくはLilmag Storeで買ったけど、IRAに行って自分でホチキス止めしたら割引があるそうだ。

crass.jpg

■ちなみに他に現在入手しやすいCRASS関連のテキストとしては、「Spectator」誌の「レベル・ミュージック」特集号、それから「文藝別冊 セックス・ピストルズ」なんかがある。「文藝」のほうはドラマーのペニー・リンボーの自伝の抜粋。原書はこちら。それと最近チェリー・レッドから出たアナーコ・パンクのヒストリー本『The Day The Country Died』なんかも併せて読むといいかもしれない(洋書2冊はは買ったんだけどまだ読んでないです……)。

Best Before 1984Best Before 1984
Crass


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投稿者 junne : 22:06 | コメント (0)

2007年02月25日

Expansion of Life

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■これまたLilmag storeで買ったミニコミ。新宿御苑のアナキストショップ(といっちゃっていいのかな。「インフォショップ」というらしいのだけど)IRA(Irregular Rhythm Asylum)が発行しているもの。

■特集は「DIY」で、巻頭にはDIYでツアーをしている反体制アーティストFILASTINEのインタビュー。その他、小川てつオ&いちむらみさこ(カフェ・エノアール)、DIYパンクファンジン作者のテキスト、堕胎について、どぶろくの作り方、ディスクレビューなどさまざまな記事がいちいち興味深いというか、もう、今ぼくが興味のあるところど真ん中かも!パンク!

■読んでたらすごく行ってみたくなったので、実は先週日曜にライブの前にIRAにも行ってきた。噂どおりの和みスポットだったなあ。コーヒーをご馳走になったり。そして来店していたお客さんは新潟から来たラッパー(もうすぐ東京に引っ越してくるとのこと。キセルして帰ると言ってたw)と、杉並の反戦落書き裁判の被告。フツーに茶飲み話としてデモの話とかをしてるのがいい感じだと思った。

ということで、以下その時に買ったもの

-「アナキズム」第8号 特集:DIY
-ボブ・ブラック『労働廃絶論

最近では「CRASSパンフ」なんてものも出たそうだ。これもほしい!

投稿者 junne : 02:40 | コメント (0)

2007年02月24日

ハイスクールU.S.A.

長谷川町蔵さんと山崎まどかa.k..a. salt water tuffyさんが「アメリカ学園天国」というサイトを立ち上げて同時代のアメリカ学園映画を紹介しだしたのは何年前だろう、たぶん20世紀のことだよね。やがて雑誌での連載も始まったり。で、そんな二人の活動がこの名著に結実!

■とにかく大充実の情報量。「学園映画ガイド」にとどまらない、アメリカのユースカルチャー論の本としてすごく貴重な一冊だと思う。脚注や囲みの作品紹介まで、ひとつひとつが丁寧に面白く書かれていて、ついついこちらも丁寧に読んじゃうもんだからすごく読むのに時間がかかった。ていうか、ウェブでやってたころから不思議だったんだけど、これってどうやって書いてるんだろう。内容の濃さから考えて、ライブトークを起こしたものじゃないと思うんだけど。チャットして編集、とかなのかなあ。

■ていうか、実はぼくは5年くらい前に会社に「長谷川町蔵・山崎まどか著『アメリカ学園天国』」という企画書を出してるのね。ひさびさに悔しい思いをしましたよ!

ハイスクールU.S.A.―アメリカ学園映画のすべてハイスクールU.S.A.―アメリカ学園映画のすべて
長谷川 町蔵 山崎 まどか


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投稿者 junne : 18:20 | コメント (0)

2007年02月22日

BET

BET vol.0創刊準備号

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「Riot Grrrl」本と一緒にLilmag storeで購入した、『教科書(ry教科書』(←NOIZ NOIZ NOIZも出てくるよ!)、『ウェブアニメーション大百科 GIFアニメからFlashまで』で有名なばるぼらさんの最新ミニコミ。

伝説の自販機本「JAM」「HEAVEN」およびその他の自販機本レビュー、デザイナーの羽良多平吉インタビュー、そして伝説のライブスポット「吉祥寺マイナー」といった内容。

ばるぼらさんといえば年表なわけだが、今回もマイナーのものすごい年表が(国会図書館で「ぴあ」と「シティロード」のバックナンバーを漁って作成したとか)。「JAM」「HEAVEN」も今まで名前だけは知られていて表紙画像くらいはいくつか見たことあるんだけど、これだけ一冊ごとの内容が載ってる記事は初めて見た。

圧倒される充実ぶり。今後、nuの戸塚さんの装丁で製本され、『BETWEEN』としてリリースされる予定だそうなのだけど、その際にはきっとさらにデータが充実化されると思うので今から楽しみであります。

教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書
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ウェブアニメーション大百科 GIFアニメからFlashまでウェブアニメーション大百科 GIFアニメからFlashまで
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投稿者 junne : 23:59 | コメント (0)

2007年02月11日

riot grrrlというムーブメント-「自分らしさ」のポリティックス

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モモさんのネットショップで買ったミニコミのひとつで、もともとは大学の卒論として書かれたものとのこと。

■Bikini Killなどを中心に、90年代に、フェミニズム的なメッセージを前面に押し出したパンキッシュなガールズバンドが登場して「Riot Grrrl」と呼ばれた、というふうに記憶していたのだけれど、本書によればRiot Grrrlとはそうしたバンドだけではなく、ファンジン制作やワークショップ活動など、様々なDIY活動全般を指すものだったという。とかいうとぼくなんかはまずハードコアカルチャーと通じるものを感じがちだけど、実際にはパンク/ハードコアシーンの男性中心主義へのカウンターという側面も強かったそうだ。確かに映画『American Hardcore』の中でもハードコアの女性嫌悪ということが取り上げられている箇所があり、ヘンリー・ロリンズもそれは否定していなかった。実際にRiot Grrrl系のバンドのライブでは、男性のハードコア・パンクスによる暴力的な嫌がらせが後を絶たなかったらしい(そういえば、Los Crudosの曲でもハードコア・シーンの中の性差別についての曲があったはず)。

■フェミニズムを前面に押し出した姿勢は当時から(おそらく現在も)批判や揶揄の対象になりがちだったけれど、本書ではそうした批判に対して一つ一つ丁寧に反論し、このムーヴメントの功績をポジティブに評価しようとしている。自分にとって本当に大事なものを全力で擁護しよう、というその姿勢が何よりいいと思う。そしてその評価の中でも特に大事だなと思ったのは、Riot Grrrlの功績として、若い子の間でフェミニストであることが「クールなこと」「かっこいいこと」「ポジティブなこと」と思われるようになった、という指摘だ。左翼がかっこよくてクールでポジティヴなものに見えるようなパンクスが出てくることを切に望みます!KLF的な斜にかまえたやつじゃなくってさ!(もちろんあれはあれですごくかっこいいんだけど)

投稿者 junne : 23:59 | コメント (2)

2007年02月08日

イアン・ボーデン『スケートボーディング、空間、都市』と『Dogtown & Z-Boys』

■『スケートボーディング、空間、都市―身体と建築』は、学術書なのでかなり高いのだが、内容的にはかなり面白いので、図書館で借りてても読むといいよ!

■根底にあるのはアンリ・ルフェーブルによる「街の持つ意味は建築物だけで決定するのではなく、そこにアクセスする人間の文脈によって決定される」という理論。そしてその理論を基にして、スケーターたちがいかにして都市にアクセスしていったか、それがいかに抵抗としての意味を持っていたか、というのを論じていく。単純にスケートカルチャーの発展史の資料としても貴重だと思うし、個人的にはスケートカルチャーの持つ反権威主義および反商業主義についての記述から、ハードコアカルチャーとの親和性(長年の興味の対象のひとつだったの)の謎の一端が解けた気がしたのも嬉しかった。いろんな有名スケーターの写真、広告やメディアに登場したスケーター像の変遷などなど、興味の尽きない一冊。

■そして、この本と併せて観るのにバッチリな映画が『Dogtown & Z-Boys』。80年代の南カリフォルニアを舞台に、スケートカルチャーの大パラダイムシフトを起した少年スケートチーム「Z-BOYS」。留守宅に忍び込んでプールの水を抜いてスケートをし、数々の斬新なトリックを生む。その犯罪スレスレというか立派な不法侵入でスケートを楽しむ彼らの姿は確実に「街の意味」を自分達の文脈で作り変えている。本の中に出てくる伝説的なスケーターたちが実際にプールで滑っているところがたくさん映っているのが嬉しい。あと個人的に見所だったのが、「当時DCで『Thrasher』に載ってるZ-BOYSの姿を見て、『すげえことが起こってるんだな!』って興奮したよ」なんて語っているイアン・マッケイとヘンリー・ロリンズ。彼らは最近「昔話をする」のが主な仕事になってるような気がするぞ、特にロリンズ(笑)。

■えーと、ていうかあれだ、せっかく板買ったんだからスケートしような、俺。

スケートボーディング、空間、都市―身体と建築スケートボーディング、空間、都市―身体と建築
イアン ボーデン Iain Borden 齋藤 雅子


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Dogtown & Z-Boys (Full Dlx Sub Dol)Dogtown & Z-Boys (Full Dlx Sub Dol)


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2007年01月18日

柴崎友香『きょうのできごと』

■映画の原作ということだが、映画のほうは未見。数名の男女のある日のできごとを、それぞれの視点から描いた連作短編。ひとつひとつはどうっていうことのない話なのだけどこれがなんだか凄くいい。

■関西弁の会話がどれも読んでて凄く気持ちがいいのと、ところどころで「おおっ!」と思うような文章が出てくる。のだけど、これってあくまでも文の流れの中で生きるものなので、そのフレーズだけ抜き出してみてもたぶんその良さは伝わらないだろうなあ。

■最初の短編で「今日が明日になるのはいつか」という会話が出てきて、最後の短編では「気がついたら朝になっていた」瞬間が描かれている、なんて辺りもかっこいい。

きょうのできごときょうのできごと
柴崎友香


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投稿者 junne : 23:59 | コメント (0)

2007年01月11日

Lilmag storeオープン

野中モモさんがzine、古本、その他いろいろを扱うネットショップ「Lilmag store」をオープンさせました。ということで、いきなりガシガシ購入(注文第一号だったらしい・笑)。今回受け渡しは手渡しでお願いすることにしちゃったのだけど、自宅のポストにミニコミが届くというのもほんとは好きなんだよなー。

開店早々魅力的な商品ラインナップだし、今後も点数を増やしていってくれると思うので楽しみであります。ぼくが買ったものについては、また手元に届いてから改めてってことで。

そして、一昨日急に思いついたのだけど、今年はミニコミを作ろうと思っています(仕事でも本を作ってるのにね!どんだけ本が好きなんだって話ですけどね!)。
完成したら是非置いてもらいたいところだわー。なんつうか、ここに自分の作ったものを一緒に並べてほしいと思わせるサイトだと思います!

投稿者 junne : 19:25 | コメント (0) | トラックバック

2006年10月03日

The EX / 1936, The Spanish Revolution

オランダのポストパンクバンドがリリースしたCDブック。スペイン内戦の写真集に8cmCDが2枚(それぞれ2曲入り)がついたもの。
スペイン内戦時のアナキスト組織CNTの残した写真で構成された写真と、簡単な説明がつく。
CDは革命歌のカバーや、革命家の言葉にバンドが曲をつけたものなど。どこか東欧っぽいような旋律もありつつ、ノイジーで攻撃的なギターと鋭角的なリズム、ストイックなヴォーカルで凄い硬派な演奏。すげえかっくいいです。
バンドが自身のレーベルからこういうものをリリースしてるってことが凄いよな。

1936, The Spanish Revolution1936, The Spanish Revolution
Ex


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投稿者 junne : 23:45 | コメント (0)

2006年09月05日

200CD ザ・ロック・ギタリスト

一見するとありがちなCDガイド本だが、その実えらく偏った一冊。なにせ執筆陣に角田さんやら宇波くんやら畠中さんやらといったCozmic Urination勢がいたり、取り上げられたギタリストには杉本拓やら秋山徹次といった名前もあったり。

ということで一筋縄ではいかない本だが、「ロック・ギタリスト」と謳っておきながらジョニー・サンダースと鮎川誠がいないってのはどうかと思う。クリス・インペリテリとか載せてる場合じゃないでしょw。

200CDザ・ロック・ギタリスト―憧れのギタリスト名演ディスクガイド200CDザ・ロック・ギタリスト―憧れのギタリスト名演ディスクガイド
200CDザロックギタリスト編集委員会


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投稿者 junne : 01:36 | コメント (0)

2006年08月22日

8/22(Tue)の日記

■仕事のことをはじめとして、いろいろと気がかりなことがあって眠れない。ということでこういう時は読書だ。

クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣いクビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い
西尾 維新


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実は初めて読む西尾維新。ちょっと前に読んだ吾妻ひでお『うつうつひでお日記』で、しきりに「こっぱずかしい恋愛小説」みたいに書かれていたのを思い出して、あーなるほどそうゆうふうに読むんだー、と思ったりした。

投稿者 junne : 23:59 | コメント (0)

2006年08月21日

8/21(Mon)の日記

■高校野球が気になって仕事になりませんでした。

■ボリス・ヴィアン『ぼくはくたばりたくない』を読む。詩・シャンソンの歌詞+ジャズ・エッセイを集めたもの。詩はスカしてていいですなあ、ヴィアンはこうでなきゃ、っていう。

ジャズ・エッセイは、まさにビバップが出てきた時期にリアルタイムで書かれたものなので、普通に資料として興味深い。「ダウンビート」とかから最新情報をクリップしてコメントしていく、というスタイルはちょっと植草甚一を思わせる。時代的にはバップ黎明期で、ファンの間でも賛否両論だったりする中で一貫してバップを擁護する姿勢を見せてるところも、常に「新しいジャズ」を擁護していたJ.J.氏に通じるものがあるような。

ボリス・ヴィアン全集 9 (9)ボリス・ヴィアン全集 9 (9)
ボリス・ヴィアン 伊東 守男 村上 香住子


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2006年08月17日

8/17(Thu)の日記

■『植草甚一主義』を読む。だいぶ前に(結構安く)手に入れていたのだけど、ずっと積んであった一冊。大判で、とにかくJJ氏のコラージュやら写真やらがたくさん載ってるのが嬉しい一冊。これは結構宝物ですね。

d060817.jpg

投稿者 junne : 23:59 | コメント (0)

2006年08月07日

8/7(Mon)の日記

■辛酸なめ子『道徳の時間』を読む。なめ子せんせいの下ネタは大変くだらなくて最高なので、是非ぎしょれとコラボレートしてほしいと思いました。

道徳の時間道徳の時間
辛酸 なめ子


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投稿者 junne : 23:59 | コメント (0)

2006年08月06日

Inferno Punx

infernopunx.jpeg

■日本が誇るグレイト・パンク・レーベル
MCR Companyの設立25周年を記念したクラスト写真集。6月くらいに買ってそのまま床に積んであったのに目を通してみたよ。

■今でも活躍しているベテラン勢の90年代前半くらいの勇姿、今では存在してなくて伝説になっているバンド、伝説にすらなってないバンドなどなど、とりあえずぼくはかっこいいパンクスの写真については見てるだけで飽きないので満足な一冊であります。

投稿者 junne : 21:11 | コメント (0)

2006年07月19日

吾妻ひでお『うつうつひでお日記』

『失踪日記』が大変評判になった吾妻せんせいの新刊は、『失踪日記』刊行前の時期に書かれていたマンガ日記。ほんとに日記です。ものすごく淡々と変化に乏しい日常を描いていて、特に最初のほうは結構読みにくいのだが不思議と読ませる。驚くのが本を凄くたくさん読んでること。その感想が結構興味深かったり。

うつうつひでお日記うつうつひでお日記
吾妻 ひでお


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投稿者 junne : 04:20 | コメント (0)

2006年01月16日

『ロリータ』読了

ようやく『ロリータ』を読み終えたわけだが、解説の若島せんせいのアドバイスに従って冒頭を読み返すと…おおおおー!そうだったのか!これはちょっとまた読み返さなきゃだなあ。

「新潮」掲載の「二重露光」も大変興味深い指摘が。

投稿者 junne : 23:59 | コメント (0)

2006年01月12日

ウラジミール・ナボコフ『ロリータ』

元日に購入してからずっとこればっかり読んでいる。少なくとも小説は他には読んでいない(あ、プリーストは読んだのは去年の暮れなの)。

保坂和志が、小説を読む時にはその小説へのチューニングというのが必要で、一度ある小説にチューニングをあわせてしまうと他の小説を併読するのは大変だ、というようなことを言っていた(と、queequegさんが言っていた)。

で、ぼくは最近までそういうことはあんまりなかったんだけど、ここ一年くらいか、時おりそういう状態になることがある。あたりまえのことかもしれないけど、丁寧に読もうとするとどうしてもそうみたいで、ナボコフみたいにちょっとひっかりながらも惹きつけられてゆっくり読み進む、みたいな場合が多い。

こうなっちゃうと読書っていうのはもう楽しくてしょうがなくなってくるわけで、わずかな金額で何時間も何日も楽しめるんだからつくづく本ってのは安上がりな道楽だ(ってことは何度も書いてるけど、何度でも言いたい)。

その反面、そういう読み方をしてると読むスピードはどうしても遅くなるので積読本が溜まってしまいがちなんだけど、それはまあ仕方がない。今年は今までより丁寧に本を読むことを心がけたいな、と思う。ようやく小説の読み方が少しわかってきたのかもしれないから。

そうそう、あちこちで今月号の「新潮」の豪華執筆陣が話題になってて、実際ぼくも買ったわけだけど(例によって積んである)、みんなが言ってる「小島信夫・中原昌也・青木淳吾・福永信(アンド保坂和志の連載)」というところよりもぼくが楽しみなのは、若島正の「二重露出―『ロリータ』新訳の眩暈」というエッセイだったりするのです。

ロリータロリータ
ウラジーミル ナボコフ Vladimir Nabokov 若島 正


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2006年01月11日

クリストファー・プリースト『奇術師』

二人の奇術師の長年の争い、それぞれのイリュージョンの謎、そして複数の視点から語られる「信用できない語り手」の手法。しかもちょうどアラマタせんせいのブログにもこないだ登場したニコラ・テスラが絡んできたので「おお、タイムリー!」と個人的に盛り上がってみたり。

ハヤカワ文庫FTということでファンタジーに分類されてはいるが、SFでもありミステリでもある。ちょっと前に薦められて読んでみたのだけれど、これはアタリでしたな。ということで続けて『魔法』も読まなきゃですな。


〈プラチナファンタジイ〉 奇術師〈プラチナファンタジイ〉 奇術師
クリストファー・プリースト 古沢 嘉通


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2006年01月10日

音楽未来形―デジタル時代の音楽文化のゆくえ

なんか最近この手の本ばっか読んでる気が(笑)。

テクノロジーの進歩によって「音楽」というものがどう変わりつつあるのか。結構レコード産業の成立とか、更にそれ以前の十二音平均律による記譜法の成立とか、歴史に立ち返って、現在一般的に考えられている「音楽」」像があくまでも歴史的なものであり、21世紀を迎えて既にそれも古くなりつつあるということを明らかにしてゆく。

『誰が「音楽」を殺すのか』や『Jポップとは何か』がジャーナリストの仕事であり、『デジタル音楽の行方』がアジテーター(笑)の仕事だとするならば、これは学者の仕事ということができるだろう(著者が実際に学者である、ということとはまた別の話。学者であっても資質的にはジャーナリストだったりアジテーターだったりするひとというのは多いからね)。

ということで、そういった本と併読するといいと思います。

音楽未来形―デジタル時代の音楽文化のゆくえ音楽未来形―デジタル時代の音楽文化のゆくえ
増田 聡 谷口 文和


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併読のススメ

だれが「音楽」を殺すのか?だれが「音楽」を殺すのか?
津田 大介


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Jポップとは何か―巨大化する音楽産業Jポップとは何か―巨大化する音楽産業
烏賀陽 弘道


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デジタル音楽の行方デジタル音楽の行方
David Kusek Gerd Leonhard yomoyomo


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2005年12月27日

デジタル音楽の行方

デジタル技術の発展により、音楽業界は今後どうなるのか!?という本。レコード業界は一環して「デジタル技術がもたらした違法コピーにより、音楽は危機に瀕している!」と叫び続けているわけだが、本書の主張によればそもそも「音楽業界=レコード業界」という図式が成り立っていたこと自体が異例なことであり、むしろ音楽へのニーズは今までになく高まっている。人々の暮らしの中で音楽というのは欠かせないものになっており、旧態依然としたパッケージ商法から上手く抜け出した者が今後の音楽産業で生き残っていくだろう。

結構去年から今年にかけてはこの手の議論に関わる本を色々読んだ(ローレンス・レッシグの三部作『CODE』『コモンズ』『Free Culture』、津田大介『だれが「音楽」を殺すのか?』、烏賀陽弘道『Jポップとは何か―巨大化する音楽産業』など)ので、個人的には結構既視観のある議論ではある。

で、本書で言われているようにリスナーはただ同然で音楽を楽しむことができて、かつアーティスト側には適切に利益が分配される、そんな世の中になれば大変素晴らしいことだと思う。とはいえ現状のレコード業界の抵抗ぶりを見てると、ほんとにそんなに上手くいくのかなあ、という気も(本書では、かつてのラジオやケーブルテレビなどの例をひいて、最終的には行政が介入して強制的に解決するだろう、という見通しをしている)。

あと、ここで言われている「アーティスト」っていうのが、なんだかんだでポップスターを想定してるのかな、っていう気はしました。もっとこう、ちょっとデータ形式での「配信」というのが馴染まないタイプの音楽って世の中にはたくさんあると思うんだけど。いや、テクノロジーの発達によって「ニッチ」な音楽でもそれを求める層に着実に届けることが可能になる、という話であるんだけど。んー、うまく言葉にできないんだけど微妙に引っかかるとこもないではない。

それこそ「アルバム」という単位がなくなって、みんな「好きな曲」だけを手に入れるようになる、という話とか。あと機械的に「これもオススメ」ってしてくれる機能が発達して、どんどん自動的に「好きな音楽」と出会いやすくなる、なんていう話も個人的にはちょっと胡散臭く思ってるのね。それって、「用意された」「想定内の」多様さでしかないんじゃないかな、っていう。それこそ「オススメ」機能なんていうのは、むしろシステムにより個々人のテイストまでが管理される世の中を招いてるようにも思えちゃうのです。偶然の出会いの機会がスポイルされるというか。

とはいえ、その辺は偏った音楽が好きな偏屈者が文句つけてるってだけの話で、概ね大変オプティミスティックで元気の出る本だと思うので、読んでみてはいかがでしょうか。

デジタル音楽の行方デジタル音楽の行方
David Kusek Gerd Leonhard yomoyomo


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2005年12月23日

保坂和志『小説の自由』

保坂和志の『小説の自由』を読んでるんだけど、色々とものを考えるきっかけになることがほんとにたくさん書いてあってもの凄く刺激的です。

音楽のことと擦り合せて考えることもできる(「見る」ことについて書かれてるあたりは大友さんの「聞く」ともあわせて考えたいと思った)し、小説の読み方ついても勿論色々と考えさせてくれる。あと「あ、この本読みたい」と思わせることが多いところもいい(これはぼくの中では良書の条件のひとつ)。しかも「読みたい」と思わせる本に持ってる本が多い(というか積読にしてある本が多い)というところもいい。

実際「積読本を読むきっかけ」を与えられる、っていうのは結構嬉しいことで。
こないだ古川日出男のインタビューを読んだら、「直感で買って数年後に読むと、直感を二段階ふむのではずれがない」ってなことを言ってたので「なるほど!」とか思ったのですが(積読を正当化されて嬉しかったともゆう)

まあ、まだ読みかけなんだけど、クロード・シモンの『フランドルへの道』の話をしてるあたりで、本から得られる高揚というのは読んでる間がピークであって読み終わってしまうと何割かしか残らない、みたいな話が出てくるので、読みかけの高揚感をお伝えしようと思った次第。


で、今読んでて「おお!」と思ったフレーズを引用しますと、(カフカの『城』は何度読んでも完全には記憶できない、という話で)

 ――しかし、やっぱり私は『城』をもっと記憶するまで読まなければいけないのではないか。クラシック音楽のファンだったら、四、五十分ある交響曲の全体を記憶している曲が一つか二つあるのではないか。それなのどうして小説の方は一回や二回読んだだけで「読んだ」ことになってしまうのか。小説をもっとずっと音楽の受容の仕方に近づけることが、小説を、批評という小説とは似ても似つかない言葉から自由にすることなのではないか。

『重力の虹』を3回続けて(英語で)読むと、その次に読んだときには冒頭からもうガツンと鮮明で感動するらしい、なんてことが書いてあったんだが本当だろうか。残念ながらぼくにピンチョンを原書で読むってのはちょっと荷が重過ぎるけど。

や、訳は一応読んだんだけど、凄い時間かけてダラダラ読んじゃったから全然内容はおぼえてないんだよな。もっかい読もうかなあ。そういえば『V.』も読み返したいってこないだ思ったとこだったんだよなあ。ていうかエリクソンも読み返したいしなあ。いや、でもここはやっぱシモンをいっときたいよなあ。

4103982055小説の自由
保坂 和志


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2005年12月21日

Lords of Chaos

しばらく前から、ちょっと読んでは中断し、また続きを読み始めては中断し、という感じで読み続けていた『Lords of Chaos: The Bloody Rise of the Satanic Metal Underground』をようやく読了。ノルウェー・ブラック・メタルのドキュメント本。

ブラックサバスとかにさかのぼって「エンターテイメントとしてのロックと悪魔」について概説、そして悪魔信仰の基礎知識なんかも交えつつ、いかにしてノルウェーにマジで悪魔を信仰するアンダーグラウンドなメタルシーンが生まれたか、オスローのブラック・サークル(Mayhemを中心としたブラック・メタルのグループ)、BurzumやEmperorのメンバーによる教会への放火事件、そして内部抗争による殺人、悪魔崇拝から土着信仰、そして極右思想へと結びつき世界中に影響力が広まる、悪魔教会の教祖アントン・ラヴェイへのインタビュー(「彼らがいう悪魔というのは我々が考える悪魔とは関係ない」とか言ってます)、関係者の獄中インタビュー、などなど、レアな写真(少年時代のBurzumとか)も満載の大変充実した一冊。

どう見てもコピーで作ってそうなファンジンとかまでちゃんと資料として集めてるっぽいところが素晴らしい。

ノルウェーブラックメタルっていうと、どうしても興味本位に「教会燃やすんだってよ!」「殺人までしちゃったんだってよ!」「ヤベーーー!」というノリになりがちなのだけど(いや、少なくとも10年くらいまえにはぼくはそういうノリで接してました)、結構ちゃんと「社会問題」として真摯にジャーナリスティックに取り組んだ本だと思います。

0922915946Lords of Chaos: The Bloody Rise of the Satanic Metal Underground
Michael Moynihan Didrik Soderlind


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2005年10月09日

三連休の二日目であるが

■本日も仕事。まあ3時くらいにいって8時くらいには上がったので楽なものである。

■ルーディ・ラッカー『ウェットウェア』読了。解説によると、初めてサイバーパンクを意識して書いた作品なのだそうだけど、急激にサイバーパンクっぽくなってるので結構驚く。『ソフトウェア』に引き続きグイグイ読ませる面白さ。いやあ、この人体改変ネタのセンスたるや、ジーターとかスターリングより過激なんじゃないでしょうか。

4150108455ウェットウェア
黒丸 尚 ルーディ ラッカー


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投稿者 junne : 23:47 | コメント (0)

2005年10月04日

通院してそのまま休んだ

■午前中は通院。基本的に問診では「どうですか?」「いや、特に変わりはないです」「あ、そうですか」くらいで、あとは次の予約を入れるだけ、という感じなのだけど、月初で保険証の確認があったりする関係でなんだかんだで時間を食うのだった。

■で、早稲田の青空古本祭で本を買う。それぞれ500円。

456004676X「ニューヨーカー」の時代
常盤 新平


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4791750802精神病の構造―シニフィアンの精神病理学
藤田 博史


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■で、さらに高田馬場のレコファンでCD

B00000764XBLUE BLOOD
X YOSHIKI TOSHI


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なんてものを買いました。105円。

■夕方新宿で『チャーリーとチョコレート工場』を見る。
いやあ、相変わらずすげえ完成度。ジョニー・デップの怪演も楽しいし、結構黒いセンスが復活しつつあるのも嬉しい。ファンシーなマーズアタックっつうかw

投稿者 junne : 23:27 | コメント (0)

2005年10月03日

ダスビダーニャ

■日中は、授賞式へ来てくれた皆様へのお礼メール書き。コピペせずにちゃんと一通一通心をこめて書きました(や、ちょっとだけコピペもしたけど)。

■夕方になると、本日帰国のロシア人受賞者イリーナ・エフチェーエワさんを見送りに。彼女は英語が全然ダメでロシア語かフランス語しかしゃべれない、ということなので、昔取った杵柄で多少はフランス語のできるぼくの出番となったのです。が、実のところぼくのフランス語は今となっては惨憺たるもの。「昨日はどこに行ったんですか?」と聞こうとして「昨日」という単語が出てこない、とかそういう世界。それでも辞書片手になんとか間を持たせようとしたのだけれど流石になかなか難しかった。結局先方が疲れて舟を漕ぎ出したのを幸いこちらも黙り込む。チェックインの終了5分前にギリギリで滑り込んでチェックインさせてなんとかミッションコンプリート。しかしながら9時とかになると成田のレストランって全然開いてないのね。しかたないからリムジンバスで新宿までもどってC&Cでカレー食って帰宅。

■ばるぼら『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』読了。いやはや凄い本です。ぼくの青春は「テキストサイト前夜」くらいかなあ。つか「テキストサイト」という言葉が出てきたときに何となく違和感があったのを覚えている。ちょっと前にあべ++くんとも話したのだけど、ぼくはたぶんe-zine世代に属するんでしょうな。ネット草創期の、ほとんど神話の世界のような話の登場人物が普通に知り合いだったりする、という不思議な距離感がある本。

4798106577教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書
ばるぼら


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■ルーディ・ラッカー『ソフトウェア』も読了。こないだ読んだ『ハッカーと蟻』がいまいちタルかったんだけど、これは一気に読み終えました。おもしれえー。

4150108404ソフトウェア
黒丸 尚 ルーディ・ラッカー


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投稿者 junne : 23:58 | コメント (0)

2005年09月19日

オールの翌日は使い物にならない

■デニーズから帰って寝る。昼には起きるつもりだったのだけれど、結局17時半まで寝てしまった。ということでフランス革命は断念。

■芥川龍之介『河童・或阿呆の一生』(新潮文庫)を読み始める。とりあえず最初の方に載ってる短い奴をざーっと読んだのだけれど、うーん、芥川ってやっぱどうもいまひとつピンと来ないんだよな。物凄く上手いのはわかるんだけど。

投稿者 junne : 23:56 | コメント (0)