2008年07月02日

スタジオボイス2008年7月号

■もう先月号なんだけど、「リトルプレス特集号」ということで、友人知人が多数寄稿しているということもあって購入してあったのね。で、ようやくとりあえず特集をざっと読んでみたのだけど、うーん、なんか違和感が。そもそも紹介されてるのが全体にアートブックみたいなやつが多いの。んで、まあ一応小さいながらも出版社の体裁を取っていて、ちゃんと製本とかして作ってる感じの。とりあえずぼくがLilmagで買い漁ってるようなものとはちょっと趣が違う。

■あのですね、俺は字が読みたいの! ビジュアル本も悪いとはいわないけど、そればっかってのはどうなのかと。海外のジンを紹介するならもっと文芸誌とかがほしかった。絶対いっぱいあるはずなんだよね。まあ自分で探せって話か。あと、基本的にぼくはパンク感のあるジンが好きなんだけど、そういうのが少なかったのも残念。つかあれなのか、「ジン」と「リトルプレス」は別物で、「リトルプレス」は単に部数が少ない普通の本っていう感じだったりするのかしら。

■そんな中で「そうそうこれこれこれ!」って感じだったのはYEBISU ART LABO FOR BOOKSIrregular Rhythm AssylumタコシェLilmagによる「Zine & Minikomiレビュー」およびばるぼらさんによるストレンジ古雑誌紹介、それと写真家・平野太呂のジンの履歴書。最後のは写真家のジンなので「字が読みたいんじゃねえのかよ!」って思うかもしれないけど、「コピーでぱぱっと作って友達と交換したりするが楽しい!」っていうスタンスに共感。まあ載ってる写真がOAC(なつかしい!)とかBREAKfASTとかだったりするっていうのもあるんだけど。

■でもまあ、なんか最近は会社やめても本は作れそうだなあという気分になってきててそういう意味では隅っこを読めばそれなりに元気の出ることも書いてあったんじゃないかね。

STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2008年 07月号 [雑誌]STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 2008年 07月号 [雑誌]


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2008年06月26日

【メモ】買う予定の新刊、行く予定のイベントなど

■気がつけば以下の2冊は今日が発売日じゃなかったっけか!買わなきゃだー

VOL 03VOL 03
萱野稔人 高祖岩三郎 酒井隆史


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コーナー Musics DVD付コーナー Musics DVD付
大友 良英


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VOLはG8に合わせての緊急発売、って感じなのかね。最近はZine版の「VOL Zine」というのも作っていて、現在05号まで出ている模様。IRAで売ってるのを見たことあるので存在は知ってたんだけど、PDFのフリーダウンロードもしてたんですな。「製作用」のPDFを両面印刷して自分で折って綴じればちゃんとZineになる!何気にこれっていいかも!

そして大友さんの新刊はもうほんとに待ちに待ったとしか言いようがない。ガツンとDVDとかもついて、待った甲斐のあるものになっているかと思われますよ。手に取るのがほんとうに楽しみだ。

■んで、来週はG8に向けてこんなものが↓。いくつか行ってみると思います。

◎G8対抗国際フォーラム  http://www.counterg8forum.org

今年、7月7日から9日まで、北海道・洞爺湖で、G8サミットが開催されます。現在、政府やマスメディアによるキャンペーンが盛んに行われていますが、一方で、G8が押し進めるグローバリゼーションに反対する市民団体、NGO、NPOなどのグループやネットワークによって、様々な対抗運動の枠組みが作られています。

こうした現象は、日本の国内にとどまらず、1999年のシアトル、2001年のジェノバから引き継がれるグローバル・ジャスティス・ムーブメントの世界的な潮流だと言えます。

私たちは、こうした世界的な状況に、政治的、社会的、文化的、または理論的に呼応する形で、国内外からの参加者と集まり、大学という公共空間を中心に、国際的な対抗フォーラムを開催したいと考えています。

★6月30日(月)13:00~17:00 中央大学駿河台記念館/18:30~20:30 明治大学リバティホール(リバティタワー1F)
★7月1日(火)18:30~20:30 明治大学リバティタワー

※フォーラムは、メイン・フォーラムと、パネル・ディスカッションで構成されています。
※メインフォーラムのみ、資料代として500円をいただきます。
※中央大学駿河台記念館および明治大学リバティタワーはともにJR御茶ノ水駅より徒歩5分。
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◆メイン・フォーラム:グローバリゼーションと対抗理論の可能性

日時:6月30日(月) 
場所:明治大学リバティホール(リバティタワー1F)

司会:鵜飼哲(一橋大学、フランス文学・思想)
提題:足立眞理子(お茶の水女子大学、経済学)、ジョン・ホロウェイ(プエブラ自治大学、国家理論)
応答者:マイケル・ハート(デューク大学、政治哲学)、岩崎稔(東京外国語大学、政治思想)

G8をあたかも有意味な政治日程であるかのように押し出すために、支配的なメディアからは、この世界ばかりが唯一ありうる現実態であるかのような言説が、かつてない規模で垂れ流されている。だが、そもそもG8は非公式かつ恣意的な会合にすぎず、国際社会における正当な代表性など、いかなる意味においても備えてはいない。G8は、グローバルな困窮と悪夢の引き金とはなっても、現にある問題を何一つまともに解決することはない。そのようなG8の会合が、警察的な排除、監視、抑圧を通して、世界中の無数の抵抗と創意を窒息させようとしているのである。

わたしたちは、このように露呈している底なしの不正と不平等の世界を、だが、どのように適切に分節化しなおすことができるのだろうか。「G8対抗国際フォーラム」の《メインフォーラム》では、フェミニストの経済学者である足立眞理子が、「再生産領域のグローバル化」という現下の事態を切り口として、資本主義と古き社会主義の強固な前提であった賃労働そのものが、いまやメルトダウンしようとしている事態を解明するだろう。また、「権力を取らないで世界を変えること」を構想するジョン・ホロウェイは、来日する多くの知識人を代表して、不正で不平等な社会に対する具体的経験を伴った「叫び」から始まる、あらたな変革のイメージを提示するだろう。そのふたつの報告を受けて、『<帝国>』の共著者マイケル・ハートと、今回のフォーラムを支えてきたフランス文学者・鵜飼哲や政治思想家・岩崎稔たちが、ぎりぎりまで議論を押し広げ、この世界をいまとは別様に把握する対抗的な構想力の可能性を模索する。

対抗理論への問いが、さらに多様な実践を作り出し、さらに豊かな連帯を作り出すことを確信して、友人たちよ、すべてのパネルでの激論と交流を経て、このメインフォーラムの討議の輪のなかに合流してもらいたい。
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◆パネル・ディスカッション

6月30日(月) 中央大学駿河台記念館 13:00-15:00

★パブリックかコモンか?――サミット体制と明日の条件なき大学 @560
大学は資本や国家といかなる関係を切り結ぶべきなのか?かつてのデリダのように、われわれもサミット体制に抗する「条件なき大学」を語ることができるのだろうか?もしそうであるとすれば、パブリックな討議空間である以上に、学生と教員が共に生を営む場として、いかなる群集状態が想い描かれるべきなのだろうか? G8大学サミット開催と敵対しつつ、コモンとしての大学への展望を考えてみたい。
パネラー:西山雄二(東京大学、ARESER:高等教育と研究の現在を考える会)、大野英士(首都圏大学非常勤講師組合)、世取山洋介(新潟大学、DIC日本支部事務局長)、コ・ビョンゴン(研究空間スユ+ノモ)
司会:白石嘉治(上智大学)  

★「ゾンビの国」で考える連帯の条件――グローバル・ジャスティス運動、固有性、マルチチュード @570
映画『ランド・オブ・ザ・デッド』(2005)では「ゾンビ」と「貧者」、つまり排除された者同士が闘っている。事情は日本でも世界でも同じだ。排除された者(ワーキングプアや貧困国)と搾取される者(「名ばかり」正社員や「名ばかり」先進国)が競わされる。運動の実践や日常の搾取の経験から「ゾンビ」と「貧者」の連帯の可能性を考えたい。
パネラー:デイヴ・エデン(オーストラリア国立大学)、ハリー・ハルピン(エジンバラ大学)、ブランドン・ジョーダン(映像作家)
司会:渋谷望(千葉大学)

★自律メディアは増殖する! @680
わたしたちの最も内密なはずの知覚や感情もすみずみまで管理しようともくろみ、「世界」を捏造しつづけるマスメディア。この世界を「売り上げ」によって価値評定することで「多数派」の幻想を肥大化させ、「世界」を相対化しそこから逃れる道を封じてまわる、マスメディアの有機的知識人たち。ここではフランスのポスト構造主義とニューヨークの実践、アメリカのマイナー文学や思想とを、ラジカルに衝突させつづけ、対抗グローバリゼーションにいたる理論的・実践的地場をいち早く 描いてきたニューヨークの独立出版社Autonomediaのジム・フレミングを囲み、日本で今繰り拡げられている、刺激的な実験をぶつけてみたい。
パネラー:ジム・フレミング(Autonomedia)、成田圭祐 (Irregular Rhythm Asylum)、佐藤由美子(トランジスター・ プレス)、加藤賢一(気流舎)
司会:酒井隆史(大阪府立大学)
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6月30日(月) 中央大学駿河台記念館 15:00-17:00

★プレカリティは創造する  @560
現代資本主義の下、われわれは不安定を生きており、それに対応可能であることが存在の条件にすらなっている。この不安定性をみずからのものとし、それをより自由なものへと転じさせることはできないのか。そしてそれを新たな構想へと接続することだって可能なのではないだろうか。プレカリティ――以上の問題関心をもちつつ、本セッションでは、その展望を各パネラーとともに探ることとしたい。
パネラー:マウリツィオ・ラッツァラート(社会学者/哲学者)、ダイアン・クラウテマー(IWW)、ブノワ・ユージェーヌ(NO VOX)、千々岩弦(フリーター全般労組)
司会:入江公康(社会学/労働運動史)

★反資本主義のための資本主義論 @570
真に有効な反資本主義運動を展開するために必要な現代資本主義の理解とはどのようなものか。「価値」、「本源的蓄積」、「フェティシズム」、「生産/再生産」、「賃労働/非賃労働」といったさまざまな古典的概念を時間論(死んだ時間と生きた時間との闘い)や身体論(規律化とそれへの抵抗)として捉え返し、その現在的意義を考えてみたい。私たち自身の価値を創造する身体と資本の価値増殖のプロセスに組み込まれた身体とのあいだで日々繰り広げられる「階級闘争」を表現し進展させるために必要な概念とはどのようなものか。
パネラー:マッシモ・デ・アンジェリス(東ロンドン大学)、ハリー・ハルトゥニアン(ニューヨーク大学)、イ・ジンギョン(研究空間スユ+ノモ)
司会:田崎英明(立教大学)

★戦術の多様性をめぐって @680
戦術にまつわる思想は、運動体の性質を決定する上で、核的な部分を占めている。当パネルでは、東京に集合した各地の活動家数人に、それぞれの活動内容と戦術的思考について発表してもらい、観客を含めた広い交流/交換の場としたい。ここでは昨今主要な潮流となっている「戦術の多様性」の有効性が論議の焦点となる。
パネラー:デヴィッドソルニット(アーティスト)、マリーナ・シトリン(サンフランシスコ・ニューカレッジ)、リサ・フィシアン(戦術家)他
司会:高祖岩三郎(Autonomedia、VOL編集委員)
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7月1日(火) 明治大学リバティタワー12階 18:30-20:30

★地球的組織の未来 @1121
当パネルでは、アンドレ・グルバチッチ(バルカン半島)、デヴィッド・グレーバー(北米)、平沢剛(東アジア)など世界各地を出自とする活動家的知識人を迎えて、未来の地球的組織化の可能性について論議する。それぞれの立場/経験に基づいて、過去の国際連帯/国際的組織化のありかたを分析し、将来可能な形態を提起してもらう。
パネラー:アンドレ・グルバチッチ(サンフランシスコ・ニューカレッジ)、デヴィッド・グレーバー(ロンドン大学ゴールドスミス校)、平沢剛(明治学院大学)
司会:高祖岩三郎(Autonomedia、VOL編集委員)

★地下大学東京――秋葉原で起きたこと―― @1122
6月8日の白昼、秋葉原中央通りの路上ではいったい何が起きたのか? 120秒の間に、残酷な形で交差したものは何だったのか? 青森に生まれ、各地の派遣「飯場」を流れた末に、静岡からあの街に現れたKは、ちょうど40年前に4人を射殺し、遂に刑死したNを呼び戻した。彼の『無知の涙』が読まれているという。――あの場所にやって来たKと、そこで殺された人々に集中したあらゆる動線と、そこから伸びていくものについて徹底討論したい。
パネラー:鎌田慧(ジャーナリスト/作家) 他
司会:平井玄(音楽批評)

★反戦反基地――軍事化に抵抗する @1127
本セッションでは、まさに今起こっている軍事化を理解し、その軍事化への抵抗運動を、スピーカー、参加者の皆さんと共有していきたい。そして、それを共有するだけではなく、より有効的な抵抗運動を、構築していきたい。
パネラー:梅林宏道(NPO 法人ピースデポ代表)、キム・ディオン(研究空間スユ+ノモ)、抵抗運動に関わっている人
司会:伊佐由貴(一橋大学)

★アウトノミアとメディア運動 @1128
アウトノミア運動のスポークスマンとして知られ、イタリア初の自由ラジオ「アリーチェ」以来、ガタリとの協働を経て最近のテレストリートに至るまで、つねに現代メディアを刺激してきた実践的思想家フランコ・ベラルディ(bifo)。ラジオ・アーティスト/理論家として、世界のメディア運動に多大な影響を与える粉川哲夫との対話。
パネラー:フランコ・ベラルディ(メディア理論/活動家)×粉川哲夫(ラジオアーティスト、メディア批評家)
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問い合わせ:G8対抗国際フォーラム事務局 Tel:080-5539-6059 Fax:042-330-5406 Email : info@counterg8forum.org
カンパ・協力金の振り込み先:郵便口座00100-9-357506番 口座名称:G8対抗国際フォーラム実行委員会

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2008年06月24日

はじめてのDiY

■こないだの『貧乏人の逆襲!』ともちょっとかぶる内容なのだが、こちらはより包括的かつ理論的(だけど人文/学術書的な硬い本ではない。中学生でも読めると思う)。冒頭に

 ふと見わたすと、まわりに、おもしろいこと、おもしろいひと、おもしろい場所がじわじわと増殖しているような気がします。
 この、おもしろいこと、おもしろいひと、おもしろい場所はどうもこれまでとは全然違ったところから生まれているようです。
 七〇年代の消費社会、八〇年代のバブル経済、そして九〇年代の「失われた十年」とは異なる、新しいポジティヴな生活と文化が登場しつつあるのです。

とあるけどこれについてはぼくも割と同感で、ここ2,3年で急激にこうした活動が増えているなーという印象。

■個人的にも注目していた流れではあるので情報としてあまり目新しいことは書いてなかったんだけど、まあこういうのは受身でいるより自分もやったほうが絶対楽しいので、ガンガン時流に乗っていくといいと思うな。元気の出る本であることは確かです。あと、さすがに学者の書いた本なので海外の事例や参考文献とかも載ってるのが嬉しい。

はじめてのDIY 何でもお金で買えると思うなよ! (P-Vine BOOks)はじめてのDIY 何でもお金で買えると思うなよ! (P-Vine BOOks)
毛利嘉孝


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2008年06月20日

貧乏人の逆襲!―タダで生きる方法

■なぜか周囲の一部で局地的に異常な盛り上がりを見せている新刊。高円寺素人の乱五号店(リサイクルショップ)の店長であり、「家賃をタダにしろ」「俺の自転車を返せ」といった一風変わったデモの首謀者であり、昨年の杉並区議選でも話題をさらった(『いるべき場所 』にも迫真の描写があるので読むといいぜ!)著者による初の単著。滅茶苦茶面白くて、ありがちな表現だが電車の中で笑いをこらえるのに苦労したよ!

■貧乏生活マニュアルみたいな本はけっこうあって、だいたいが節約の仕方が書いてあるわけなんだけど、本書はそういうしみったれた話とはちょっと違う。いちおう衣食住および移動手段などについてそれぞれについて金をかけない作戦がいろいろと提示されてはいるのだが、ヒッチハイクや野宿のコツ、地域(商店街とか)をまきこめ!等々、単に金をかけないのではなく、如何に人と絡んで「金持ち連中」や「金もうけ企業」に対抗していくかという視点が通底している。

■で、貧乏生活術の話しは最初の一章だけ。あとは著者が過去に実践した作戦の数々の紹介など、より積極的に打って出ることを目指した内容になっている。ていうかまあとにかく威勢のいい文体が楽しくてグイグイ読んじゃう一冊だ。元気が出るという意味ではこれほど元気の出る本もそうそうないと思う。

貧乏人の逆襲!―タダで生きる方法貧乏人の逆襲!―タダで生きる方法
松本 哉


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2008年06月17日

少女と少年と大人のための漫画読本 2007-2008

■マンガってここ数年ほんとに読まなくなっちゃってるんですよ。面白いんだろうなーと思いつつなかなか手が出ないという状況で、結局ドカベンを時々立ち読みしてるだけという有様。

■そんな矢先に、いつもZineを買っているLilmagの店主・野中モモさんが満を持して自身のZineをドロップ。これがもう待ってましたというものなのである。内容としてはモモさんが以前に「流行通信」で連載していたマンガレビューと、「2007年の年間ベスト&2008年に期待される作家・作品」というアンケートが中心。編者が日ごろ情報源としてアテにしている人たちからアンケートを取っているということなので偏りはまああるとしても、一般の年間ベスト10とかよりはアテになりそうな気がするというもんだ。

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■ということで読んで早速マンガ買っちゃったよ(いましろたかし『化け猫あんずちゃん』→最高)。ほかにもいくつか(いくつも)気になるものがあるので順次読んでいきたい。つか、ほんとここ数年マンガっていうのは自分の中でかなり課題だったのよ。

■しかしマンガって場所取るからなあ。「ジョジョ読みてえ!」って思ってもなかなかふんぎりがつかない部分もありますよね。いや、マンガ喫茶にあるようなものはそれでもいいのかもだけど、少なくともここで紹介されてるものの多くはマン喫で見つけるのは難しそうだ(ていうか、実際そう書いてあった)。と思ってたらちゃんと貸し本屋さんもアンケートに登場してきてて、これが近所だったりするので是非利用していきたい。あと貸し借りとかはマンガに限らずちょっと試みていきたいかも。ブクログとか使ってなんとかできないかね。

■ブクログといえば最近出てきた「読書メーター」っていうウェブサービスに登録してみた。読んだ本を記録していくだけのシンプルなサイト。読書量がグラフ化して表示されるのと、同じ本を読んだ人が探せるので読書傾向の似た人を見つけとくと参考になるかも。

■なんか関係ない話になってきましたが、とにかく既存のベスト10とかに不満のある人とかは一度このZineを手にとってみてはいかがかと。万人にお薦めではないかもだけど、ある種の傾向があう人にとっては大いに参考になるかと思われます。

(追記)
日ごろ扱ってる商品は切り貼りコピーホチキズ製本みたいなのが多いけど、自分で作るときはやっぱりビシっと作るのね、と思ったりもしたわけですが(装丁はフランスのペーパーバックみたいだし)、付録はちゃんと切り貼りコピーホチキス製本だったのでちょっと嬉しい。

化け猫あんずちゃん (KCデラックス)化け猫あんずちゃん (KCデラックス)
いましろ たかし


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2008年05月27日

南博『白鍵と黒鍵の間に』

■ジャズ・ピアニストの南博さんが時々サイトで書いているウェブ日記は、南さんならではのダンディズムと独特のユーモアが好きで昔から愛読していたのだけど、ついに本が出たので喜び勇んで購入した。サイトでも断片的に紹介されていたバークリー留学前のエピソードを集めたエッセイで、ひさびさに読む前から「面白いに決まってる!」と思える本。

■クラシック・ピアノの勉強をしているひとりの高校生がジャズと出会い、小岩のキャバレーで演奏をするようになり、やがて銀座のクラブで演奏するようになる。たかだか20年くらい前、ちょうどバブルの時代の話。ハコバン、ホステス、ヤクザ等々、それほど昔の話とは思えない癖のある人々が描かれる。菊地さんがオビで「この本は、僕のどの本より面白いです」と凄いことを書いているが、実際滅茶苦茶面白くて半日で一気に読んでしまいましたよ。

白鍵と黒鍵の間に―ピアニスト・エレジー銀座編白鍵と黒鍵の間に―ピアニスト・エレジー銀座編
南 博


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2008年05月26日

吉田豪『バンドライフ』

■オススメです!

■インタビューの達人として有名な吉田豪氏による、バンドブームを作ったアーティストたちへのインタビュー集。インタビュー対象は森若香織、氏神一番、関口誠人、ダイヤモンドユカイ、水戸華之介、中山加奈子、阿部義晴、いまみちともたか、BAKI、石川浩司、サンプラザ中野、サエキけんぞう、NAOKI、KERA、仲野茂、MAGUMI、KENZI、イノウエアツシ、DYNAMITE TOMMY、大槻ケンジの20名。基本的には生い立ちから現在までのライフストーリーで、収入の話しとか結構突っ込んだ話にまで至っているものが多い。

■バービーボーイズの成り立ちが結構意外だったり、アナーキーのメンバーの複雑な間柄だとか、いろいろ読みどころはあるのだけど、リアルタイムでは興味がなかったりむしろ嫌いだったりしたひとも含めてみんな「現在の姿」がすごくかっこいい。特に読み応えがあるのは他の面々の倍の文字数を割いたナオキ(ラフィン、コブラ、SA)へのインタビュー。ここに載ってる話とカブるところもあるけど、必読だと思います。ほんとかっこいいなこの人。

バンドライフ―バンドマン20人の音楽人生劇場独白インタビュー集バンドライフ―バンドマン20人の音楽人生劇場独白インタビュー集
吉田 豪


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2008年04月28日

ロイド・ブラッドリー『ベース・カルチャー』

■ジャマイカ音楽の歴史を、背景となる政治経済事情もしっかりと踏まえて描いた大著。個人的にここ数年レゲエとかちょこちょこと聞くようになってたので、こういう本がまさにほしかったのだ。あとがきで訳者も指摘してるように、ダンスホールレゲエについては端的に著者が嫌いだという理由からあまり紙幅が割かれておらず評価も低いのだけど、そのあたりのバイアスや事実誤認については訳注なんかでかなりカバーされていて、すごいいい仕事してるなーと思った。見習いたい。

ベース・カルチャー レゲエ~ジャマイカン・ミュージックベース・カルチャー レゲエ~ジャマイカン・ミュージック
ロイド ブラッドリー 高橋 瑞穂


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2008年04月23日

円城塔『Boy's Surface』

■『Self-Refrence Engine』に続く、円城塔のハヤカワSFシリーズJコレクション第2弾。SFマガジンに発表されたものを中心に書きおろしを加えた短編集。いずれも数学的構造とかそういうのを主人公におき(よくわかってないです、すいません)、でもなんかラブストーリーっぽくあるという、スペキュラティヴ・フィクション集だ。『オブ・ザ・ベースボール』にくらべてもだいぶハードルが高いと思う。数学SFというと、個人的に思い出すのはラッカーとかなんだけど、調べてみたらインタビューで「もう少し踏み込んでくれれば面白いのに」とか言ってますね。実際ラッカーよりかなり「踏み込んだ」作風とはいえるけど、随所で笑えるところもあったりもして楽しく読んだ。

Boy’s Surface (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)Boy’s Surface (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
円城 塔


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オブ・ザ・ベースボールオブ・ザ・ベースボール
円城 塔


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Self-Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)Self-Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
円城 塔


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2008年04月02日

円城塔『オブ・ザ・ベースボール』

■昨年、早川より『Self-Reference Engine』(面白い!)で鮮烈なデビューをした作家の、こちらは文学界新人賞受賞作(タイトル作)を含む2つの短編を収めた本。おもしろいわー。

■タイトル作は、ある田舎町に一年に一度くらい人が降ってくるという設定。で、レスキュー隊が組織され、語り手はその一員なのだが、そのレスキュー隊員に配られているのがユニフォームとバット。で、みな日々バッティング練習をしていると。それだけで何だそりゃって話なのだが、そういう話が断章形式で綴られていて、印象としてはガルシア=マルケス・ミーツ・ヒバリミュージックって感じの奇妙でとぼけたユーモアがあり、それでいて何らかの方法意識が感じられるというもの。

■いっしょに収録された「つぎの著者につづく」は、簡単に言っちゃえば自分の作品がRという作家の剽窃であると言われた作家が、その疑いを晴らすべくRについて調べていくというような話なのだが、膨大なリファレンスつきでちょっとヌーヴォーロマン感のある作品となっている。こっちも面白い。

オブ・ザ・ベースボールオブ・ザ・ベースボール
円城 塔


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Self-Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)Self-Reference ENGINE (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
円城 塔


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2008年04月01日

買わなきゃいけない本メモ

■最近本はもっぱら図書館なのだが、以下の本は買わなきゃなのだ。ていうかむしろまだ買ってねえのかよ!って感じの本ばっかなのだが、超金欠でいつ買えるのか全然わかりません。不義理で申し訳ない。どれも読んでないけど面白いに決まってる!


萌える日本文学萌える日本文学
堀越 英美


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大谷能生のフランス革命大谷能生のフランス革命
大谷 能生 門松 宏明


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M/D マイルス・デューイ・デイヴィスIII世研究M/D マイルス・デューイ・デイヴィスIII世研究
菊地 成孔 大谷 能生


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服は何故音楽を必要とするのか?―「ウォーキング・ミュージック」という存在しないジャンルに召還された音楽達について服は何故音楽を必要とするのか?―「ウォーキング・ミュージック」という存在しないジャンルに召還された音楽達について
菊地 成孔


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2008年03月27日

高橋悠治『言葉をもって音をたちきれ』

■近著を読む前に、『たたかう音楽』と一緒に図書館で借りてきた本を。こちらのほうがさらに前に書かれたもので、72~74年くらいの間に書かれた文章が集められている。これが最初の単著とのこと。

■音楽にまつわる様々な制度(社会的・文化的な意味でも美学的な意味でも)が、やはり舌鋒鋭く批判される。そしてその問題意識はおそらくその後より社会運動的な内容となった『たたかう音楽』にも通底しているものだ。で、最近の「音響」とか「音響的即興」にも通じるような問題意識もここで既に出てきていたりして、非常に興味深い。

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今村仁司『貨幣とは何だろうか』

■94年刊。ソ連をはじめとする共産圏の崩壊がまだ記憶に新しかった時期にかかれたものだな、というのが随所からうかがえる。「貨幣とは何か」ということについて、経済学的見地ではなく哲学的見地から考えた本。

■貨幣の持つ「媒介」という役割は人間にとって根源的なもので、それは「文字」も同様であるとし、ルソーに代表される西洋哲学の文字批判・貨幣批判=「媒介」批判を批判する。媒介物をなくすことは人の持つ暴力性が剥き出しになることにつながり、その例がスターリンやポル・ポトだ、という。なんか飛躍がある気もするが。ていうか議論の前提として提示される「貨幣と『死の観念』は関係がある」という考え方がそもそもいまいちピンと来ないというか、よくわからない。

■ともあれ、3章および4章で書かれている、ゲーテ『親和力』とジッド『贋金つかい』を「貨幣小説」として読む、という試みは大変面白かった。文芸批評として普通に面白いと思う。

貨幣とは何だろうか (ちくま新書)貨幣とは何だろうか (ちくま新書)
今村 仁司


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2008年03月24日

高橋悠治『たたかう音楽』(晶文社)

■76~77年に集中的に書かれた文章を集めたもの。タイのクーデターや在日朝鮮人の運動などと絡めつつ、運動の場において歌、音楽が力を持ちうるとしたらどういうものなのか。そしてそういった力を持つに至っていない日本や欧米の文化状況を舌鋒鋭く批判する。
■いろんな意味できわめて70年代的な文章だと思うのだけど、では現在この問題意識はどのようになっているのか。実は現在においても全然通用する話をしてたりもするように思えるだけに、今の著者の考えも知りたい気がする(ので、近著も読んでみようと思った)。

■そして、「運動と音楽」「運動と歌」という話でいうと、「言うこときくよな奴らじゃないぞ」は実にエポックメイキングな曲だったんじゃないかなあと思ったりしましたよ。
■この本自体は現在は絶版になってると思うけど、たぶん平凡社ライブラリーのコレクションに入ってるものが結構あるんじゃないかと。

高橋悠治|コレクション1970年代 (平凡社ライブラリー (506))高橋悠治|コレクション1970年代 (平凡社ライブラリー (506))
高橋 悠治


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2008年03月21日

佐藤優『国家論 日本社会をどう強化するか』

■年末年始に続けざまに読んだ萱野稔人の著作の数々との関連性や、いとうせいこうが絶賛してることもあって興味を持っていた本。なるほどこれは面白い。

■基本的に著者の前提として国家とは基本的に悪であるという考えがある。暴力をコントロールし、官僚を通じて収奪を行うのが国家である。この辺の認識は『カネと暴力の系譜学』なんかとも通じるものがある。

■そこで国家の暴走を防ぐにはどうしたらいいのか、という話が本書では展開される。簡単に言っちゃうと「国家」と「社会」は別物なので、「社会」を強化することで「国家」を牽制しましょうっていうことだと思うのだけど、そういう話を進めるにあたって参照するのが前半ではマルクス『資本論』および宇野弘蔵、後半では柄谷行人のアソシエーション論およびカール・バルトの神学。特に後半やや観念的な話になりすぎてね?という気もしなくもないが、それでも随所にアクチュアルなたとえ話が入ってくることからある程度具体性を持って読むことはできると思う。これはねー、結構な収穫だと思うな。

国家論―日本社会をどう強化するか (NHKブックス 1100)国家論―日本社会をどう強化するか (NHKブックス 1100)
佐藤 優


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投稿者 junne : 13:20 | コメント (0) | トラックバック

2008年03月18日

ジャック・ケルアック『オン・ザ・ロード』

■『路上』というタイトルで出ていた旧訳(河出文庫版)を読んだのはたしか学生時代。正直そのときはピンと来なかったというか、「タルいなあ」という印象しか残ってない。というかそもそも印象に残ってないかも。そのまま「ケルアックは退屈」というイメージが自分の中でついてしまった。

■が、各方面で今回の青山南による新訳『オン・ザ・ロード』が絶賛されているので再挑戦。そしたらこれがすげえ面白いの!まず全然印象が違うのが、ディーンが車をかっ飛ばす場面の疾走感。とにかくこんなにスピード感のある小説だとは全然思わなかった。

■そしてビバップ時代のジャズの現場を捉えた熱気あふれる描写。これはまあ、旧訳初読時にはあんま興味なかったから印象に残らなかったという可能性もあるけど。場末のクラブで若いミュージシャンたちがすげえぶっ飛んだビバップを演奏している様がすごく活き活きと描かれている。これだけでも読む価値はあると思う。

オン・ザ・ロード (世界文学全集 1-1) (世界文学全集 1-1) (世界文学全集 1-1)オン・ザ・ロード (世界文学全集 1-1) (世界文学全集 1-1) (世界文学全集 1-1)
ジャック・ケルアック 青山南


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2008年03月01日

マイク・デイヴィス『自動車爆弾の歴史』

■同じ著者の『要塞都市LA』『感染爆発―鳥インフルエンザの脅威』と面白かったので続けて読んだ『自動車爆弾の歴史』。タイトルどおり、自動車などの乗り物に爆弾を積むという形のテロリズムが20世紀に生まれ、それがどのように発展して今に至るのかというのを詳細にまとめた本。

■強硬なシオニストたちがイスラエル建国前後に採用した戦術がパレスチナゲリラによって発展的に継承されてたり、敵味方を超えてテクノロジー(爆薬の種類とか)と戦術(車の種類とかターゲッティングとか)が受け継がれ発展していく様子というのはなかなかすげえもんだなあと思う。あと、それに対する政府等の国家機関や大企業といった、自動車爆弾攻撃の対象にされる側にいまひとつ危機感や認識が足りてなかったり、対策がピントはずれだったりっていうのを指摘してまわる語り口は『感染爆発』とも非常に近いものがあって、これっていうのはもうこの著者のスタイルなんだなあと思った。

自動車爆弾の歴史自動車爆弾の歴史
マイク・デイヴィス 金田 智之 比嘉 徹徳


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投稿者 junne : 15:53 | コメント (0) | トラックバック

2008年02月22日

En-taxi 19号

■先日阿佐ヶ谷ロフトで行われた仲俣さんのイベントは大変盛況でびっくりしたわけなんだけど(トークイベントってはやってますよねー←棒読み)、そんときに聞いたEn-taxi編集長の話が大変面白かった(他の人の話も面白かったけどね)。

■で、その時に話題になった記事のひとつがこの号の巻頭に載っているヤンキースタジアム訪問の記事。単に野球観にいっただけなのにそれが仕事になるってのはうらやましいなあという話なんだけど(笑)、それより何よりこの号で注目なのはミュージシャンによる小説2本だろう。

■ECD「酩酊」は100枚一挙掲載。アル中時代のことを描いた私小説(『失点イン・ザ・パーク』は入院したとこから始まるから、その前日談ってことになるのかな)。一応登場人物は仮名になってるが、まあすぐわかります。ていうか全部『いるべき場所』のほうでは実名になってるからね(笑)。ぐいぐい読んじゃいました。そろそろ本にならないかなあ。

■そして大江慎也の「気違いピエロ」。前号に載ってたやつもかなりヤバいオーラを発していたが、今回も実にヤバい。基本的には思い出を断片的につらねているだけなのだが、なんかこうつながりとかがいちいちおかしいんだよね。小説になっているのかどうかも怪しいが、ついつい読んでしまう。最新号の20号でも書いてる(なんかモメたという話だが)はずなのでそれも近々読もうと思った。

■あと福田和也の原稿でストゥージズの話が出てきてますが、「I Wanna Be Your Dog」のギターはジェームズ・ウィリアムソンじゃなくてロン・アシュトンですよ!(それともライブ盤の話をしてるのかね)

en-taxi No.19 (AUTUMN 2007) (19) (ODAIBA MOOK)en-taxi No.19 (AUTUMN 2007) (19) (ODAIBA MOOK)
福田 和也


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投稿者 junne : 13:26 | コメント (0) | トラックバック

2008年02月13日

Sweet Dreams issue 1

■昨年創刊されたZine。これは超おすすめですよ!

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■基本的には音楽雑誌なんだろうけど、音楽の記事にしてからが超強力なJANDEK特集だったり、ほかにも短編小説の翻訳(これがまた気の利いた作家を選んでくるんだよねー)や写真家が取り上げられてたり。「音楽」がベースになった総合カルチャー誌、みたいなものには目がない(もっと出てきてもいいよねえ)ので非常に気に入りました。次号が待たれる!

公式サイト

投稿者 junne : 13:11 | コメント (0) | トラックバック

2008年02月04日

マイク・デイヴィス『感染爆発―鳥インフルエンザの脅威』

■実のところトリインフルエンザについて特に関心があったわけではない。そんならなんでこんな本を読んだのかというと、この著者の『要塞都市LA』が超面白かったから。で、本書も『要塞都市LA』にくらべるとややライトだが期待にたがわず面白い。

■インフルエンザについての概説、過去の世界的大流行(パンデミック)の経緯、そして現在にいたる世界各国の対策状況(というか、対策できていない状況)、といった内容。インフルエンザウィルスがいかに強力か。利益重視のグローバル製薬会社、対応の遅い各国政府、そして最貧国のスラムが流行の温床となっていく仕組みを告発する。

■『自動車爆弾の歴史』も図書館に頼んであるので早く読みたいなーと思いました。

感染爆発―鳥インフルエンザの脅威感染爆発―鳥インフルエンザの脅威
マイク デイヴィス Mike Davis 柴田 裕之


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投稿者 junne : 13:23 | コメント (0) | トラックバック

2008年01月26日

萱野稔人『国家とはなにか』『カネと暴力の系譜学』『権力の読みかた』

■年末から立て続けに萱野稔人の著作を読んだ。

■『国家とはなにか』では国家=暴力装置である、というテーゼを提示。国家とは合法的に暴力を行使できる機関であると論じられる。

■続く『カネと暴力の系譜学』では卓越した暴力を背景として富を収奪するという国家の基本的なありかた(税とはヤクザのみかじめ料と同じである)を説明。前著と重なる部分も多いが、ヤクザ組織などの非公式な暴力組織を国家がどのように利用しているかといった話は興味深い。

■最新作の『権力の読みかた』は副題にもあるように「状況」と「理論」のパートに分かれている。特に「状況」のパートは前2作で展開された理論をふまえて現在の政治・社会状況(ナショナリズム、対テロ戦争、ポピュリズム政治等々)を分析したもので大変面白い。

■どの本についても言えるのは、とにかく文章が明晰であるということ。引用は多いがいたずらにペダンティックになることがなく、読んでてしっかり論旨を追うことができる。こういうの、実はかなり稀だと思います。

■それで思い出したんだけど、今こんな連載をしてるのね。後で読もう(メモ)→「交差する領域

『国家とはなにか』『国家とはなにか』
萱野 稔人


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カネと暴力の系譜学 (シリーズ・道徳の系譜)カネと暴力の系譜学 (シリーズ・道徳の系譜)
萱野 稔人


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権力の読みかた―状況と理論権力の読みかた―状況と理論
萱野 稔人


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投稿者 junne : 20:07 | コメント (0) | トラックバック

2008年01月24日

イルクーツク2

■「goningumi」(柴崎友香 長嶋有 名久井直子 福永信 法貴信也)による文芸同人誌の第二号(第一号は「メルボルン1」)。まず目を惹くのが造本。普通に折って製本するのではなく、一枚一枚を重ねてそれを糸で綴じるという形(と、いう説明で合ってるのかな?)。表紙にはかなり厚めの紙が使われ、表紙にも本文にもさまざまな工夫が施されている。

■中身については、同人の作品もさることながらゲスト?の作品がまたいちいち面白い(いしいしんじの「塩浄瑠璃」はかなりブッ飛ぶこと請け合いです。すげえ)。執筆者それぞれが何らかの「新しさ」を共有しているような気がする。2100円という値段は高めに思えるかもしれないけど、ぼくは全然損じゃないと思うね。

投稿者 junne : 12:14 | コメント (2) | トラックバック

2008年01月16日

若島正『ロリータ、ロリータ、ロリータ』

■連休中(Filthのライブ後)に風邪を引き、布団の中で読み終えた一冊。いやー、これは面白い!ナボコフを読む、『ロリータ』を読むとはどういうことなのか、テクストのほんの一部を抜き出して様々な角度から読み方の例を示す。テクストに縦横無尽に織り込まれた仕掛けがあざやかな手つきで明らかにされてゆく様は圧巻であると同時に、おそらくそれですらも決して「すべて」ではないのだろうということが予感され、著者も言うように「『ロリータ』を読むという行為」には終わりはないという実感がもたらされるとともに、「何はともあれもう一回読もう!」という気にさせられる。いやー小説を読むってのは楽しいよなあ!

ロリータ、ロリータ、ロリータロリータ、ロリータ、ロリータ
若島 正


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ロリータ (新潮文庫)ロリータ (新潮文庫)
ウラジーミル ナボコフ Vladimir Nabokov 若島 正


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投稿者 junne : 18:42 | コメント (0) | トラックバック

2007年11月12日

ECD『いるべき場所』

■ここ一ヶ月くらいつきっきりで作業してた本がもうすぐ発売になります。

いるべき場所いるべき場所
ECD


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■ECDの著書というと、これまで出たものは『ECDIARY』と『失点イン・ザ・パーク』。前者はタイトル通りの日記、後者はアル中治療時代のことを描いた私小説。それ以外に「新潮」や「En-Taxi」に掲載された短編もだいたい自伝的な色彩の強い私小説だ。

■で、今回はオビにも大きく「ECDの音楽史」と謳っているように、音楽を通して半生を振り返ってもらう内容になっている。過去に「Recorder」とか「QJ」とかで「日本語ラップシーンを振り返る」とか、「東京のパンクシーンを振り返る」みたいな記事はあったけれど、今回は生まれてからつい最近まで。
生まれて間もない頃の記憶、ロック少年時代、劇団で活動しつつパンクに出会った時期、そしてヒップホップと出会いECDとしてデビュー、さんピンCAMPなどで日本語ラップシーンの基礎を築きつつも、そこにも違和感を感じ新たな場所を捜し求める。そんな時々で目撃したシーンの数々を綴った内容で、ある種「東京の同時代カルチャー史」ともいえるような一冊になっていると思う。
ということで、ECDファンはもちろんのこと、それ以外にも様々な人に読んでもらいたいし、読んでもらえる本ではないかと。乞うご期待!

■そしてその発売を記念して12/7にはアップリンクファクトリーさんで記念イベントを行います。著者秘蔵の貴重な映像、未発表音源なんかを流しつつのトークで、ゲストには野田努さんをお招きしますよ!さらに当日ご来場の方70名先着で、著者作成のCD-Rプレゼントも行います。こちらの内容は当日までのお楽しみ!

投稿者 junne : 14:04 | コメント (2) | トラックバック

2007年10月14日

内田樹『村上春樹にご用心』

■内田樹の本、以前は出れば必ず買っていたのだけれど、最近は正直ぜんぜんフォローできていない。本出しすぎ!っていうのもあるし、ちょっと政治的に首をかしげる箇所が多くなってきたせいもある。ともあれ久々に購入した最新刊。

■タイトルどおり、村上春樹に関するテキストを集めたもの。多くは初出がブログだが、一部雑誌等に発表されたものもある。ものによってはかなり加筆が加えられている模様。「村上春樹はなぜ世界中で読まれるようになったのか」というのが大きなテーマであり、村上春樹の小説の多くに見られる物語構造を読み解くことでその答えを提示している。それ自体は面白いし「なるほど」と思う。また、その視点は他の小説を読む際にも新たな補助線というか座標軸というか、そういうのを与えてくれるものでもある。ぼくにとっては優れた批評というのは、「それによってものの見方が変わる」ような新たな座標軸を与えてくれるものだと思っているので、そういう意味では本書もすぐれた批評だと言っていいと思う。

■んだけど、なんか引っかかる点があって、それは何かというと、執拗に繰り返される「批評家」「評論家」批判なのね。村上春樹が評論家を「馬糞のようなもの」と言っているというのを嬉々として何度も引用してたり。そういう政治性がどうしても引っかかって、「スリリングな批評を読んだ!」という爽快感がだいぶ減じられてしまったのが非常に残念ではある。

■とはいえ、村上春樹の小説についての「読み」に関しては非常に面白いのは確かなので、一読をお薦めはしますよ。

村上春樹にご用心村上春樹にご用心
内田 樹


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投稿者 junne : 23:40 | コメント (0) | トラックバック

松岡正剛『ちょっと本気な千夜千冊虎の巻―読書術免許皆伝』

■松岡正剛の「千夜千冊」といえば言わずとしれた、一日一冊本を紹介する、というのを千冊にわたって続けていた(そして現在は千冊をとっくに越えて、毎日じゃなくなったけど今でも続いている)すげえサイトである。何か調べる際にとりあえず参照することの多いサイトのひとつで、個人的にはWikipediaあたりよりも全然重宝してたりする。

■書籍化もされたのだが、こちらは大幅に加筆・再編集がほどこされ、10万円とかするようなバケモノじみたものになった。当然そんなもんは買えません(が、割と売れてるみたいね。そんなの一回作ってみてえなあ、とは思うけど)。で、本書はその書籍版「千夜千冊」について、特にお薦めの本をピックアップしたりしながら概説するというもの。インタビュー形式で読みやすいが、こちらも内容は結構濃い。本の紹介だけでもなかなかありがたいのだが、それ以外にも松岡正剛流の「読書術」について語ってるあたりが読みどころかと。身体的に読書をする、というのは今読んでる内田樹『村上春樹にご用心』でもキーワードだったりするので、併読すると意外といいかも。


■『CONTENT'S FUTURE ポストYouTube時代のクリエイティビティ (NT2X)』でさわりだけしてたような話がもうちょっと詳しく出てきたりもする(たぶん、全集版『千夜千冊』にはもっと詳しく書いてあったりするんだろうけどね……)ので、そちらの読者にも併読推奨。たまたま手に取った本がこうやって連環していく、というのは読書の歓びですな。

ちょっと本気な千夜千冊虎の巻―読書術免許皆伝ちょっと本気な千夜千冊虎の巻―読書術免許皆伝
松岡 正剛


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村上春樹にご用心村上春樹にご用心
内田 樹


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CONTENT'S FUTURE ポストYouTube時代のクリエイティビティ (NT2X)CONTENT'S FUTURE ポストYouTube時代のクリエイティビティ (NT2X)
小寺 信良 津田 大介


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投稿者 junne : 02:21 | コメント (0) | トラックバック

2007年10月10日

伊藤計劃『虐殺器官』

■早川SFシリーズ Jコレクションといえば西島大介『アトモスフィア』()()や円城塔『Self-Reference Engine』など注目作が目白押しなわけだけれど、近未来を舞台にした正統派SFの本書もこれまたえらく面白かった。

■9.11以降、先進国では個人認証の技術が進み、誰もがあらゆる個人情報を記録されている。一方、後進国では内戦などによる虐殺が横行。主人公はアメリカ軍の特殊部隊に属する軍人で、そうした虐殺の鍵を握ると思われる要人の暗殺を職業としている。そして、彼らの行く先々で姿をチラつかせる謎の男の存在が浮かび上がる……。

■セキュリティの名の下で管理されるプライバシー、軍隊や刑務所にいたるまで進む民営化など、なんとなく設定上は「ギートステイト」なんかとも重なる部分が多い。というのはやっぱSFが描く「未来」は常に「現在」を反映するものだから、なんでしょうな。

■主人公の心に圧し掛かる罪、それを投影して主人公の眼前に現われる「死者の国」、任務で訪れるたびに繰り返される地獄絵図、重いテーマを扱いつつもサスペンスフルにガンガン読ませる、非常にクオリティの高い作品かと。